Germaniaはチェックインの荷物は20キロまで無料、機内も食事と新聞のサービスも実施して他社と差別化していた。(参照:「
CERODOSBE」)
しかし、原油の価格の上昇は厳しいコスト削減を迫られていた。それをどのようにして価格に影響させないようにして吸収するのかというのは非常に難しい。Germaniaの2015年は680万ユーロ(8億8400万円)の赤字、2016年も770万ユーロ(10億円)の赤字を計上していた。更に、累積赤字として3200万ユーロ(41億6000万円)を抱えていた。(参照:「
ABC」)
このような厳しい財務事情に加えて、昨年は燃料の値上げ、ドルの上昇とユーロの下落、技術部門での修理などの費用の高騰、新しい機材の納品の遅れといったことが同社の財務事情を非常に厳しいものにしていたという。それが明るみになったのが昨年12月であった。営業継続には当面の資金として2000万ユーロ(26億円)が必要だとされていた。(参照:「
Preferente」)
結局、この資金繰りに都合がつかず1月5日に破産申告をしたのである。が、Air Berlinの社長だったヨアヒム・フィルトをリーダーとする投資グループが資金支援をする用意があることが明らかにされたが、Germaniaの方ではそれについて一切言及を避けているという。(参照:「
ABC」)
今回の破産によって旅行代理店を通して購入したチケットについては代替えのフライトを代理店の方で用意するとされている。しかし、Germaniaから直接チケットを購入した利用者に対しては現状では対処できないとされている。
LufthansaグループのEurowings は被害を受けた外国にいる利用者に対して2月末までに<往復チケットを50%の割引>で提供するとしている。(参照:「
Ultima hola」)
なお、Germaniaの系列のスイスのGermania FlugとブルガリアのBulgaria Eagleには一切影響はないと報じられている。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身