毎月勤労統計不正問題、NHK日曜討論でも繰り広げられた与党側の論点ずらし

日本維新の会・浅田均議員の発言 日本維新の会浅田議員 司会者から統計不正問題について意見を聞かれた浅田議員は「私は一番注目すべきは今回の不正が2004年にね、全数調査を標本調査に変えたと、ここに注目したい」と明言しており、以下のように重要な問題をすり替えている。 (最大の問題である) 2018年の賃金算出方法の変更 ↓ すり替え 2004年の全数調査から標本調査への変更  さらに、その原因として「厚生労働省内の統計の知識を持った人材不足」も挙げており、さらに問題を曖昧にしている。  このすり替えによって、2018年の賃金水準の上振れがなぜ行ったのかという問題が問われなくなり、官邸の関与から目をそらす結果となっている。 公明党・石田祝稔議員の発言 公明党石田議員 同様に司会者から統計不正問題について意見を聞かれた石田祝稔議員は「統計を操作するというのは基本的には私はできないと思いますよ」と発言。その後、「実態より数字が低く出ているので、そしてその低く出た数字に基づいて、雇用、そして労災、こういうものが支払われてきたから、追加支給しないといけないってことですよ。逆に操作して高くなっていればですね、多く払われているわけで追加支給なんてありえないわけで、ここんとこは論点が逆転しているんじゃないかなと」と続けた。  野党が指摘しているのは2018年からの賃金の上振れが操作されたものではないかという点であるのに、石田議員は2017年までの賃金の値が不正な抽出により低く出ていたことに注目点をそらしている。野党が問題にしている賃金の上振れは2018年以降の問題であるのに、それ以前についても賃金の上振れを野党が問題にしているかのようにあえて誤解した上で、「論点が逆転している」と、あたかも野党が混乱した指摘を行っているかのような印象操作を行っている。 (最大の問題である)「2018年の賃金算出方法の変更により、賃金が上振れ」 ↓すり替え 「2017年以前は実態より数字が低く出ていたので、追加支給が必要」
次のページ
是が非でも「官邸と麻生大臣の圧力」疑惑から目をそらしたい
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会