予想以上に深刻な「コンビニの書籍売上減少」―「窓際で立ち読み」すら過去のものに?

都市商業研究所
 これも時代の流れか――そういった声が聞こえてくる。  コンビニ大手のセブン-イレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマートの3社は、いずれも2019年8月末までにいわゆる「成人向け雑誌」の販売の中止を発表した。 「コンビニの窓際」といえば永年に亘って書籍・雑誌の定位置であったが、こうした「定位置」の概念を変えてしまう店舗さえ出現しており、コンビニをめぐる「本事情」は大きく変わりつつある。
CVS

大きく変化しつつあるコンビニエンスストアの「本事情」

かつては大きな存在だった「窓際の定番」

 日本に本格的なコンビニエンスストアが誕生したのは1970年代のこと。  1971年にココストアとセイコーマートが、1973年にファミリーマートが、1974年にはセブンイレブンが店舗展開を開始、1975年にはセブンイレブンが24時間営業を開始して本格的な「コンビニ時代」が幕を開けた。雑誌を中心とした書籍はその当時から多くのチェーン店で「定番商品」であり、窓際に並べられた雑誌がコンビニの売り上げに寄与するとともに、コンビニの店舗網拡充が雑誌売上に寄与するという相互補完関係が生まれていた。  成人雑誌の販売も比較的初期から行われていたと思われ、筆者が小さい頃、1990年代に存在した愛媛県に本部を置くコンビニチェーンの一部店舗は大手各社と対抗するためか「弁当の質」と並んで書籍、とくに「成人雑誌の品揃えの良さ」をウリにしており、「壁ほぼ一面が書籍と雑誌」という店さえもあった。  流石にこれは極端な例でありこのチェーン店は既に倒産しているが、かつてコンビニにとって書籍・雑誌は弁当と並ぶほど大きな存在であったことが伺える。その頃のコンビニの客層は若い男性が中心であったが、時は流れ、コンビニの機能拡充とともにそうした客層も大きく広がりを見せた。  コンビニ各社は、今回の成人雑誌の販売中止について「子供や外国人客への配慮」を挙げている。  とくにこうした雑誌の中身が見えないように一部店舗で「紐止め」が行われるようになって以降、逆に成人雑誌の表紙は以前よりも「過激化」せざるを得なくなってしまっており、コンビニの客層の拡大を考えればそうした「配慮」が必要になることもうなずける。しかし、それはあくまでも1つの「タテマエ」のようなものであり、最も大きな理由ではないであろう。  その「最も大きな理由」とは簡単なもので、書籍・雑誌の「深刻な売上の減少」によりその品揃えを減らしたいからであり、品揃えを減らすならば何かと問題になりがちな成人雑誌から…となるのも自然な流れだ。  それでは、コンビニにおける書籍売り上げ(雑誌含む)は一体どれほど減っているのであろうか。
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10年間で激減した雑誌売上
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