教団内部メール入手と代表学生への直撃取材を経て筆者は同月、主筆を務める『やや日刊カルト新聞』に於いて「
ついに判明!?国際勝共連合大学生遊説隊UNITE(ユナイト)のホントの正体」と題した記事で一連の経緯を詳細に報じた。
すると2017年3月、UNITEは公式サイトで名称を『国際勝共連合大学生遊説隊UNITE』から『勝共UNITE』に変更したと発表。
名称変更を告知する公式サイトには「2016年1月、東京大学の4名の学生によって結成されたUNITE」と掲載
そして、翌4月には国際勝共連合の傘下となったことが同連合の公式サイトに掲載された。
勝共連合公式サイトには「※2017年4月からは当団体の傘下に。」と掲載。赤下線は筆者による
また、同連合サイトの年表ではUNITEの「発足」が「2015年」となっている。
結成数日前に太田会長から研修を受けていたという矛盾を隠蔽するための姑息な工作だ。
『国際勝共連合50年の歩み』には『2015年青年学生遊説隊「ユナイト」が発足』と掲載。赤下線部は筆者による
これらの動きは、筆者の報道に対してつじつまを合わせるためと思われる。「大学生が自主的に結成した団体」との体裁が「外的には2つの看板」メールの発覚によって崩れてしまったことを、名称を変え勝共連合の傘下とすることで取り繕ったのだ。
当初の計画は、決してそうではなかったはずだ。UNITEの結成から街頭演説・デモへと続く一連の活動は「教団の指揮系統の下で結成され活動する2世信者組織」という実態を糊塗したまま全国各地でデモや街頭演説を行うことにより「安倍政権を支持する大学生が大勢存在し、全国各地で声を上げている」と世論に印象付けることを目的としていたと思われる。彼らの目論見を筆者が潰してしまったのだ。
では、このUNITEを使った策動は果たして教団や勝共連合の独断で行われたのか。
UNITE結成の経緯についての筆者の見立てはこうだ。
SEALDsの高校生版と言われた『
ティーンズソウル(T-nsSOWL)』に対抗する若者の組織としては、安倍晋三の遠戚を自称する
斎木陽平が関わった『
高校生未来会議』があった。そこで本家SEALDsに対抗する保守派の大学生組織として、政権サイドの意向に沿ってUNITEを当てたのではないか。
しかし、それにしてはUNITEの実態が貧相に過ぎる。ツイッターのフォロワー数も1000人をわずかに超える程度で全く「社会現象」や、ましてや「一大ムーブメント」になどなっていない。にもかかわらず「UNITEの快進撃は止まらない」などと空虚なアピールを続けた一連の策動の狙いは、
印象操作にあったのではないか。実態の乏しさとかけ離れた大言壮語に見えたのは「印象操作」と「世論誘導」というキーワードだった。
疑惑を追う中で、ついに官邸の関与をうかがわせる決定的な情報を入手した。