勿論、それは父親チャベスから受け継いだものと、チャベスが離婚していたという事情から彼女がファーストレイディーとして父親に良く同伴していたころにその影響力で彼女自身が直接稼いだ収入もあるという。現在、彼女は国連のベネズエラ代理大使の任務に就いている。(参照:「
KIENYKE POLITICA」)
チャベスの二度目の夫人との間の娘レシネスは2016年に手にドル紙幣をいっぱい持った姿をソーシャルネットに掲載した途端に強烈な非難を浴びてパリに逃避してソルボンヌ大学で修学している。また、チャベスの息子には12億ドル(1320億円)を残したという。(参照:「
Infobae」)
マドゥロの夫人のシリア・フローレスがマドゥロと結婚する前の息子ヨスワル・ガビディア・フレースとウォルター・ガビディア・フローレスの二人はマドリードのリッツホテルに18日間滞在し4万ユーロ(520万円)を使ったという。この金額はインフレが高騰しているベネズエラで貨幣価値から2000人に支給する給与に匹敵するという。(参照:「
El Confidencial」)
マドゥロの息子ニコラシト・マドゥロは制憲議会の議員で比較的おとなしい生活をしているという。それでも、2年前にはグラン・メリア・ホテルでドル紙幣が雨のごとく上から降らす中でアラブのリズム音楽に合わせての踊りご満悦だったという。(参照:「
iprofesional」)
マドゥロ政権のナンバーツーで制憲議会の議長でもあるディオスダド・カベーリョの娘ダニエラはフィアンセのポップ歌手オマール・アセドとセレブな生活を享受している。(参照:「
El Confidencial」)
将軍で国防大臣のウラジミル・パドゥリーノ・ロペスの息子ミチェルはマドリードに在住してベネズエラ出身のディスクジョッキーミゲル・ロドリゲスがマドリードで活躍するディスコには欠かせない人物で、彼と一緒だと一般とは異なったハイレベルでシャンパンなどを飲んでエンジョイすることは保障済みだという。(参照:「
ABC」)
ベネズエラの多くの国民が困窮している中で、指導者グループの家族は現在の崩壊しつつあるベネズエラとは全く異なった別世界で生活を享受しているのだ。
総理夫人、総理の友人、経団連などが優遇され甘い果実を貪る一方で、賃金も上がらず消費税は上がり、庶民の生活が圧迫されている日本も決して無縁ではない。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身