さらに別の動きも。メンズ地下アイドルの賑わいに目をつけたのが、ホスト業界だ。新宿・歌舞伎町では多くのホスドルが存在し、店ごとにアイドルユニットをつくり、店内で歌って踊るほか、イベント会場でもライブを行っている。
「ホストクラブがユニットをつくるのは、ライブ会場やネット番組に出演して、これまでホストクラブに足を運んだことのない層に見てもらいたいから。つまり、新規顧客を店に呼び込むためで、彼らにとってみれば宣伝活動のひとつ。入場料2000円を取ってライブをしても、売り上げとしては微々たるものですから……」
こう話すのは歌舞伎町でホストクラブを経営するG氏(50代)だ。
「ライブに来るコは、16~18歳くらいも少なくない。彼女たちは『憧れの人に会いたい』とお金をため、18歳になったら店に来てくれるんです。つい最近も、一晩で1000万円使った18歳の女性がいましたね」
その女性は16歳のときにアイドル活動をしていたホストをネット配信で見てから「いつか彼の働いているお店に行きたい」と援助交際で稼いだカネをためて歌舞伎町にやってきたそうだ。
「今、ユーチューブで配信をするホストって多いじゃないですか。現役ホストのユーチューバーもいるので、それを見て育った女のコたちが18歳になったころが刈り入れ時。面白いことが起きる」(G氏)
搾取する対象をライブにおびき寄せ、青田刈りしてしまうということか……。ただ、ホストの地下アイドルグループの場合、夜の本業のほか、昼間にライブの練習や動画制作をしなければならず「長続きしない」(同)のが難点だとか。
有名になりたい、大金が欲しい、女からチヤホヤされたい……。さまざまな思いを胸にアイドル活動に励む男たち。ブームはいつまで続くのだろうか。