「メンズ地下アイドル」の裏側。その知られざるビジネススキームとは?

「僕の場合は、新宿のボーイズバーで働いているときに、すでにグループに所属していた友達から誘われて始めました。他のメンバーはモデルをしてる時に声をかけられたり、応募で入ってきたりですね。僕はバイト感覚でしたが、なかには本気で有名になることを目指している人もいましたよ」  主な活動は対バン形式での週2~3回のライブ。チケットノルマもあり、20~30枚をグループでさばかなければならない。会場では歌って踊るほか、物販ではファンとツーショットで撮影するチェキやオリジナルグッズを販売する。 「チェキのバックは1000円のうちの2割。誕生日とかだといっぱい売れますが、普段は10~20枚くらい。チェキの売り上げだけで月収50万円とか超えるような人たちは、バック率がどんどん上がるんです。僕が聞いたなかだと4割バックで月収120万円が最高でしたね」(A君)  彼らの収入源となるチェキをできるだけ多く売るため、ときに過激なファンサービスを行う。 「一度に20枚以上買ってくれれば、特別なポーズで撮影します。後ろから抱きしめる後ろハグや顎クイはソフトなほう。指を挟んでキスをする指チューや、チェキをいっぱい買ってくれた人には手やチェキで隠して本当にチューすることもあった」(同)  自分の「推し」が他の女性と接触の多いポーズをとることで、ファン同士の競争心が高まる。結果、チェキの売上枚数も伸びていく。このようにチェキを売りまくるメンバーが出ると、運営の懐も当然、潤う。 「初期投資の回収なんてあっという間。チェキのほか、CDやTシャツ、うちわなどの物販、チケット代(会場代はノルマで相殺。それ以上売ればすべてグループの収入に)でだいたい月100万円くらいの利益になる。今3つのグループをプロデュースしているので、月300万円くらい」(K氏)  メンバーの誕生日ともなると、ファンはまるでホストクラブのように散財する。チェキは一日で100枚売れ、高級時計や高級スーツをプレゼントする女性もいるという。それらを身に着けてSNSにアップすれば、女性はまた喜び、次回はもっと高額なプレゼントを贈ってくれるのだという。
次のページ
大人になったら会いたいがために…
1
2
3
4
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会