荷川取牧場の繁殖成功の鍵は、充分なエサ
馬事協会が「ソフト面の支援」としてあげている「調教」についても同様。馬の活用と言えば乗馬で、「調教」して活用するという発想になるようだ。その前に、馬たちがストレスなく、餌もたっぷり与えられ健康であることが大前提のはず。
さらに人を怖れて逃げ回ったり驚いたりしないような、信頼関係を作り上げることが目下の課題だ。救出された馬たちの健康管理もまだできていなく、多くの飼養者がエサ代に苦慮している現状で、「調教」や「活用」というのはその後に話し合われるべき問題だ。
1月30日に、良心的に宮古馬を守ってきた荷川取牧場で仔馬が誕生という知らせもある。しかし、十分に餌を与えなければ繁殖もうまくいかない。実際にこの何年かで繁殖に成功しているのは、圧倒的に荷川取牧場なのだ。
2019年度から飼養者登録を父親から引き継ぐ予定の、M牧場の若手飼養者も繁殖に力を入れようとしているが、エサ代で大変な苦労をしていてサポートが必要だ。
「生まれた仔馬を入れて現在、宮古馬は42頭。宮古島はその価値を自覚し、仔馬たちが健やかに成長していくことを誇りとするような、豊かな文化を再生していってほしいですね」(坂田)
<文/『週刊SPA!』宮古馬取材班>