ホリエモンも興味津々。ドラマ「新しい王様」山口雅俊氏に聞くお金への価値観

画面の中の現金の束が持つ何物にも代えがたい面白さ

 山口氏は「登場人物に特定のモデルはいません」と改めて明言する。 「僕が今まで出会ってきた人たち、実際には会ったことがない人たちの話も組み合わせて造形したキャラクターです。劇中でアキバは、サイやトラなど絶滅が危惧される動物の保護活動もしています。  そうした行動は日本の消費者には関係ないことかもしれません。でも、目には見えないもの、自分の世界から遠いもの、違った価値観に思いを寄せられるかどうか。そのイエスとノーを二分構造していった結果、アキバと越中が生まれたんです」  劇中でテレビ局の買収を仕掛けるアキバは「お金儲けはいけません」と何度も口にし、「このままじゃ、いつか誰もテレビを見なくなる」とも主張する。 「『おカネ儲けは悪いことじゃない』と言い切る越中と違って、アキバには本心がどこにあるのか分からない複雑さもある。テレビを痛烈に批判するけど、一方ですごく好きでもある。  僕は今のテレビに対してモノ申したいことは特にないのですが、でもテレビ局はドラマとかで銀行や大企業のことを散々こき下ろしているじゃないですか。だから、自分たちをおちょくってみてもいいじゃないかって(笑)」  ドラマではテーマの一つとして「投資と融資」の違いも描かれる。  「『ナニワ金融道』『闇金ウシジマくん』は融資の話で、法律スレスレだったり、余裕で違法だったりで恐ろしいけれど、投資にはさらに複雑な底知れなさがある。  おカネをテーマしたドラマはいくつもあるが、利子を取ることと投資の違いが分からずに、やみくもにおカネは怖いと言っているものも多い。そこは一度ちゃんと描かなければとも思いました」  ドラマでは最後までカネに対する結論は出ない。それでもカネをテーマにした作品を作り続けるのは、なぜなのか。 「キャッシュレスの時代になっていますが、画面の中の現金の束って何物にも代えがたい面白さがある。やっぱりおカネからは誰もが目をそらせないんですよ。でも、おカネでは買えないものは間違いなくある。少なくともアキバの頭の中にあるアイデアだけは、誰も買収できない。今作で描きたいことはたくさんありましたが、それが一番言いたかったことかもしれません」 山口雅俊(やまぐち・まさとし)氏 ドラマ・映画のプロデューサー、監督。兵庫県神戸市出身。2005年にフジテレビから独立し、株式会社ヒントを設立。フジテレビ時代に「ギフト」「きらきらひかる」「ロング・ラブレター~漂流教室」、「ランチの女王」、「ビギナー」、「不機嫌なジーン」などをプロデュース。ヒント設立後は映画「カイジ」シリーズのプロデュース、ドラマ・映画「闇金ウシジマくん」シリーズや「やれたかも委員会」のプロデュース、脚本、監督などを手掛ける。 【文/中野龍】 1980年東京都出身。毎日新聞「キャンパる」学生記者、化学工業日報記者などを経てフリーランス。通信社で全国の地方紙向けの著名人インタビューや放送芸能記事を担当するほか、ウェブメディア、週刊誌等に寄稿。
1980年東京生まれ。毎日新聞「キャンパる」学生記者、化学工業日報記者などを経てフリーランス。通信社で俳優インタビューを担当するほか、ウェブメディア、週刊誌等に寄稿。
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