TBS『サンデーモーニング』で『世界日報』の社説が引用され、SNSで波紋を呼ぶ
田中信一郎氏は、その内容にいち早く反応した一人だ。
「放送を見て、大変驚きました。というのも、主要放送局が人気番組において、韓国メディアの世論として『世界日報』の社説を紹介したのですから」
『世界日報』の何が問題なのか、カルト問題に詳しいジャーナリストの鈴木エイト氏はこう語る。
「今回サンデーモーニングが韓国のメディアとして紹介した3紙のうち、『朝鮮日報』と『中央日報』は『東亜日報』と並び韓国の三大日刊紙と呼ばれています。それに比べると『世界日報』は発行部数も知名度も数段落ちます。『世界日報』をこれらの韓国の主要メディアと並べて紹介したことには違和感を抱きました。
しかも世界日報は統一教会(世界平和統一家庭連合)系の新聞社であり、7年前に流出した2007年の教団内部資料には日本の統一教会から毎月1億2,300万円の運営資金提供を受けていたことが記載されていました。日本からの資金提供がないと経営できないほどの零細新聞社なのです」
もちろん、同番組ではコメンテータとして出演していた大阪国際大学准教授の谷口真由美氏が「韓国の主要なメディアが冷静なことを呼びかけているのと比すと、日本のメディアは割と煽り気味なのかなという気がするんですね」と発言しており、政権と同調し煽る日本のメディアと政権に自制を呼びかける韓国メディアを対比させることは重要だろう。
谷口氏の言うように、両国の対立が深まりメディアがそれを煽ることによって、「在日のコリアンの人に対するヘイトや差別がこれによって起こるようなことは絶対にあってはならない話なので、そこときちんと政府の話は区別して、世論を形成しなきゃいけないんじゃないかなって思います」という意見は完全に首肯する。
しかし、それでもなお、敢えてここに統一教会系メディアである『世界日報』を入れることには疑問を抱かざるを得ない。
レーダー照射問題や徴用工の問題で溝が深まっている日韓両政府。
特にレーダー照射問題では、官邸の独断でレーダー照射の動画公開などを進めて、実務者協議で終わる問題を政権がわざわざ外交問題化させたことや、日本のメディアがまるで対立を煽るかのように不正確な報道を続けているのは当サイトでも指摘している通りだ。それに伴い、日本国内でも対韓感情は悪化しつつあるのが現状だ。
これは韓国も同様で、韓国の文在寅政権が対日強硬姿勢を取っていることもまた事実ではある。
そんな中、TBS系列の報道番組『サンデーモーニング』がこの問題を報じ、文在寅政権が対日強硬姿勢を取る背景には、韓国世論が根強く強硬姿勢を支持しているが、冷静な対応を呼びかけるメディアも少なくないと番組内で解説した内容が物議を醸している。
番組内では、パネルを掲げ、世論調査で83%が強硬姿勢を支持しているという数字を紹介した後に、その下に韓国メディア3社の社説・コラムを紹介し、「大統領まで日本に激怒するだけでいいのか」(朝鮮日報)、「一触即発の危機にある韓日 速やかな鎮火を」(中央日報)、「拡大した韓日対立 感情的な対応を自制すべき」(世界日報)を引用し、メディアは首脳同士の話し合いや水面下での交渉など外交による解決を訴えていると解説した。
同番組を見ていた政治学者で千葉商科大学特別客員准教授の1
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