また、EUが早急に意思表明できないのにも理由がある。それは、28か国でそれぞれ異なった姿勢にあるからである。各国の意思を統一する為にイタリア出身のモゲリニ外交安全保障上級代表の仕事は大変である。
ドイツと英国は承認に積極的な姿勢を表明している。ポーランドは米国の後を追う姿勢だ。オーストリアの政権を連携している自由党はロシアと親密な関係を保っているからベネズエラを支援しているロシアとの関係を無視できない。ギリシャのSYRIZAはベネズエラの現在の政変は米国の為であってベネズエラの為ではないという姿勢にある。
このように異なった姿勢の28か国を一つにまとめるには相当なる時間と困難を伴う。欧州理事会議長ドナルド・トゥスクと欧州議会議長アントニオ・タヤニの両名はグアイドーへの支持を表明しているが、EUとして統一した姿勢はまだ表明されていない。(参照:「
El Confidencial」)
こうしたどっちつかずの姿勢には多くの批判も飛び出した。
スペインのボレイル外相は<「ベネズエラには100万人のヨーロッパ人がいるということを知っての上で、EUがべネズエラの政治危機への関心が薄いということであればそれは失望だ」>と述べて、EUのまとまりのなさを皮肉ったという。(参照:「
El Confidencial」)