グアイドーが暫定大統領として宣誓した後、トランプ大統領がそれを支持する声明を発表したことに対し、マドゥロは大統領官邸から米国との国交断交を宣言したが、グアイドーは非合法な大統領はそれを決定する権利はないとして、米国の大使館の撤退を拒否するように要請した。
米国もまた撤退する意向のないことを表明し、仮にマドゥロが武力を行使するのであれば、米国はそれに対抗する手段を取ると迫った。
マドゥロがグアイドーを否定し、米国との国交断絶の宣言ももっと大々的に発表する意向であったが、劣勢を感じ始めているマドゥロは自らの大統領としての存在を保つために敢えて大統領官邸からそれを発表した。それも貧相な雰囲気の中での声明であったと『
El País』(1月24日付)が現地から報じた。
グアイドーは生命に危険が生じないように居場所は明確にされていない。一方のマドゥロの亡命先はキューバであるというのは2年前から噂されている。
今後の事態の展開は不透明であるが、多くの国から支持を集めているグアイドーの方に有利に運んでいる感じだ。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身