ベネズエラ、グアイドー暫定大統領に米国やラテンアメリカの大半が支持。マドゥロの崩壊は時間の問題か

Juan Guaidó

Juan GuaidóのTwitterアカウント

 南米ベネズエラの首都カラカスで1月23日、ニコラス・マドゥロ大統領政府への抗議集会は数万人が集まり、その勢いは近い将来マドゥロ政権を打倒できるだけの勢力に発展する可能性があることを初めて見せた集会となった。  その場を利用して国民議会の議長フアン・グアイドー(35)は、大統領が不在の場合に用意された憲法233の条項に基づいて自らが暫定大統領として就任し、付与されている執行権を行使して不当な権利を横領している(マドゥロ)を排除することを宣誓した。不当な権利の横領とはマドゥロ大統領が不正選挙で大統領になったことを意味する。それをグアイドーは排除しようというものだ。(参照:「El Pais」)  1月10日にマドゥロが再度大統領に就任したのであるが、それに反対した国民議会はその翌日11日に議長のフアン・グアイドーを暫定大統領に任命した。国民そして軍隊とが一丸となって自由公正な総選挙を実施して平和的そして民主的国家に移行するための主導役を彼に授けたのであった。数人の有力議員が亡命しているためグアイドーがその任に当たることになったわけである。(参照:「El Espectador」)

国外からグアイドー体制支持の声が

 この決定に国外からの支持が即座に集まった。まず、米州機構(OAS)のルイス・アルマグロ事務総長が「我々、国際共同体そしてベネズエラ国民は国民議会の決定を支持する」ことを表明した。(参照:「El Espectador」)  ベネズエラの元国連大使ディエゴ・アリアは「まったく疑問の余地のないことだ。グアイドーが合法的に憲法で規定された大統領だ」と表明した。(参照:「CNN Espanol」)  大統領に就任して間もないブラジルのボルソナロ大統領政府も、国民議会の議長がベネズエラの正当な大統領であると承認した。(参照:「La Patilla」)  米国は国務省がフアン・グアイドーを支持することを表明。(参照:「La Nacion」)  カラカスに所在する複数の大使館も国民議会議長が大統領として宣誓すればそれを支持することを表明した。(参照:「La Patilla」)  国民議会の議長を務めた経験を持ち、現在コロンビアに亡命しているフーリオ・ボルヘスは亡命先からグアイドーへの支持を表明し、「軍部の指揮官クラスを分裂させるように圧力をかけて行くことと、キューバに服従していることから解放させることが重要だ」とした。(参照:「ABC」)  同じく亡命している元検事総長だったルイサ・オルテガ・ディアスは「国民議会が大統領の権限を履行すべきだ」と表明した。(参照:「La Patilla」)

アメリカが承認。ラテンアメリカ諸国も追随

 それから僅か2週間後の23日にはグアイドーは自らを暫定大統領として宣誓したのである。この宣誓の直ぐ後に、米国からトランプ大統領がグアイドーを暫定大統領として承認することを表明したのであった。(参照:「El Pais」)  それに続いてブラジル、パラグアイ、コロンビア、アルゼンチン、ペルー、エクアドル、チリ、カナダが同調し、同日午後にはコスタリカ、グアテマラ、ホンジュラス、パナマが同じくグアイドーの暫定大統領としての支持を表明。ところが、ベネズエラに民主化を訴えるリマグループの中で唯一メキシコだけはアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール新大統領はメキシコの本来の外交は外国の政治に干渉しないことだとしてグアイドーを支持すべきだという国内の大半の意見を無視してベネズエラの現体制への支持を表明した。  メキシコと同じく、マドゥロの現体制の維持に支持を表明している国としてウルグアイ、キューバ、ボリビア、ニカラグア、エル・サルバドルがある。(参照:「Infobae」)  ちなみに、EU諸国はスペインについては、まだ支持を公式に表明していないが、そのへんの複雑な背景については改めて解説したい。
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フアン・グアイドーとは何者か?
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