「沖縄が分断されたままならいつまでも基地を押し付けられる」。ハンスト元山氏が語った思い

基地問題は「日本の問題」

 わたしはこう続けて質問した。 ————昨日(1月16日)、村本大輔さんは元山さんとの対話の中で、国民の意識の中に、基地の問題を押し付けて見て見ぬフリをしている部分があるという意味のことを語っていましたね。彼は見て見ぬフリをしていたら、罪悪感しか残らないとも言っていました。こういう人が、一人でも多く増えてほしい、という希望はありますか? 元山:海兵隊の基地は、もともと岐阜とか山梨とか静岡とかにあったものが、本土の基地反対運動が強くて、本土の人から見えない場所=沖縄へ移され集められたという経緯があります。本土の人の目の届かない沖縄ならいいだろうという日米両政府の思惑があって、今の沖縄の基地があり、普天間基地もあるわけですから、やはり、本土の人たちの責任はね凄く重いとわたしは思っています。  じつは、咄嗟に「ごめんなさい」とわたしは言いたくなった。が、言えなかった。「その場で言えなくてごめんなさい」と、いま原稿を書きながらあらためて思っている。  基地問題は、「沖縄の問題」なのではない。移住者県民のわたしも含めて、多くのヤマトゥンチュの責任が問われる「日本の問題」だ。元山氏が体を張って訴えかけたことの意味は、5市長への抗議という点に決してとどまらないのである。  書きたいことはまだまだある。相当に長くなりそうなので、続きは稿を改めたいと思う。 <取材・文/渡瀬夏彦> わたせなつひこ●28年の沖縄通いを経て移住13年目を迎えたノンフィクションライター。
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