7分で終わった竹田恒和JOC会長の会見。仏人記者は捜査が森喜朗・元首相にも及ぶ可能性も指摘

竹田会長 (Large)

1月15日、都内で会見を行った竹田恒和JOC会長

 1月15日、都内で、東京五輪招致を巡る贈賄疑惑でフランス当局の捜査対象となった渦中の人、竹田恒和JOC会長の会見が行われた。ところがこの会見が、原稿をただ7分間読んだだけで終わり、多くの記者から罵声の声が飛んだ。  当初は質疑応答もあり、30分間行われるとリリースされていたが、15日午前2時に「質疑応答なし」に変更が決定した。NHKなどは竹田恒和JOC会長の会見のために30分の枠をとっていたという。  竹田会長の会見終了後、JOCの柳谷直哉広報・企画部長がマイクを握ると、 「なんで質疑応答がないんだ」 「我々を呼び出しておいて、たった7分なんてひとすぎるんじゃないか」 「竹田恒和JOC会長をもう一度、出せ」  などと記者たちから罵声が飛んだ。質疑応答ができない理由として柳谷氏は「捜査中、答えられないこともあるので」と言う。  会見を取材していた筆者は「刑事事件になっている人が会見を開くケースもある。弁護士を同伴させれば済む話じゃないか。それとも、何が『答えられない』ことなのかも判断がつかないほど竹田会長は頭が悪いのですか」と質問した。こうした記者たちと柳谷氏の応酬は15分ほど続いた。

JOC調査員会は「違法性なし」の一辺倒

 そもそも何が問題なのか、事件を振り返ろう。竹田会長は2018年12月にフランス当局の事情聴取に応じ、国際オリンピック委員会(IOC)が1月11日に開いた倫理委員会でも聞き取りをされた。  問題となっているのは、2020年東京五輪招致のコンサルタント契約についてだ。  2013年に東京五輪の招致委員会が、招致に影響力のあるIOC委員のパパマッサタ・ディアク氏が実質的なオーナーを務める、シンガポールのコンサルタント会社に約2億3000万円を送金した。  ディアク氏は国際陸上競技連盟(IAAF)前会長でもあったセネガル人のラミン・ディアク氏の息子で、これは五輪招致のための「賄賂」だったのではないかと巷では言われている。しかし、JOCは問題が発覚した後に調査委員会を設置し、「違法性はない」と調査報告書で結論づけた。
次のページ
問題なしと弁解を繰り返す竹田会長
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会