「高輪ゲートウェイ」で不満爆発 カタカナ語に疑問を感じる外国人の声

 「高輪ゲートウェイ」の駅名が炎上したのも記憶に新しい昨今。ハーフである筆者はポーランド人の母親から、こんな文句を言われた。「日本の新聞を読んでいると、日本語よりもカタカナの言葉がわからなくて辞書をひくことが多い。なんで、日本人はそんなに外国語を使うの?」

注釈をつけてまでカタカナで表現する意味は?

 はたして、本当にそうなのか? 「日本語の乱れ」は以前から指摘されていることだが、実際どれだけ外国語や和製英語が使われているのか調べてみることにした。

photo via Ashinari

 今回調査したのは1月11日の『毎日新聞』『産経新聞』『読売新聞』『朝日新聞』、4紙の朝刊。広告やテレビ欄以外に登場する“カタカナ語”を数えてみた。なお、日本語に訳せない言葉や固有名詞、企業名や重複する言葉は除いてある。目を凝らして単語を数えること4時間、気になる結果は……。  各紙とも約150語! これを多いと捉えるか、少ないと捉えるかは判断がわかれそうだが、数えているうちにさまざまな疑問が生まれた。主なものについては、リストを参照してほしい。 リスト リスト まず感じたのは「この言葉は日本語に訳すとなんだろう……?」という素朴な疑問。当たり前のように使っているカタカナ語だが、そのほとんどには必然性がない印象を受けた。  たとえば「『クローズアップ』は『焦点を絞る』でもいいんじゃないの? 『ユーザー』は『利用者』だよな。『トークセッション』は『鼎談』?」などなど。  また、カタカナで表記しながら、丁寧にカッコつきで日本語訳が入っている単語も少なくない。「ドローン(無人機)」や「サプリメント(栄養補助食品)」、「バイアス(偏り)」などだ。これなら最初から日本語で表記すればいいのではないかと思ってしまう。一番驚いたのは「ユース(若者)」。「若者」をわざわざ注釈つきで「ユース」に言い換えるのには、いったい何の意味があるのだろう……?  さらにじっくり見ていくとカタカナ語と漢字を組み合わせた表現も見受けられた。「再スタート」と書くなら、「リスタート」か「再出発」ではダメなのだろうか?  そんなことを考えていると、同僚からは「日本語に訳しても、同じニュアンスにならない」という意見が出た。そういうツッコミにもさっそくカタカナが混じっているが、では我々はカタカナ語を使うときに、どれだけ本来の英単語やその日本語の意味を理解しているだろう? 「ニュアンス」ひとつとってみても、文脈によって「雰囲気」や「意図」とも取れる。ネット上で検索するとパッと出てくる説明は「言葉の微妙な意味合い」。さらに英語ではなく、フランス語であることも忘れてはならない。  筆者が新聞記事のなかに含まれるカタカナ語を見ていて感じたのは、「言葉の微妙な意味合い」をしっかりと伝えるために使われているどころか、むしろそれをボカすために使われているのではないかということだ。  たとえば企業や経済についての記事に何気なく表れる、「ミス」「ダメージ」「マイナス」といった言葉。「失敗」「損失」「減益」と訳すと、途端に深刻さが増す。  こうやってカタカナ語に注目していくと、「地域コミュニティをサポートしていきたい」と出てくれば「まずはその地域の言葉を使ったらどうでしょう……」と思ってしまうし、いつのまにか「ナショナルチームでナンバーワン」より「代表で一番」を目指してほしくなる。
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カタカナ語が多いのはいったいなぜ?
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