cis氏 撮影/神保達也
’18年12月25日に日経平均株価は2万円を割り、26日には一時1万8000円台まで暴落をした。6年続いたアベノミクス相場は終わったのか。初の著書『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』がベストセラーとなっている、230億円稼いだ個人投資家cis氏に’19年の相場見通しをインタビューした!(取材は’18年12月17日)
230億円稼いだ伝説トレーダーcisが新年相場を読む!
230億円を稼ぎ、「一人で日経平均を動かせる男」と呼ばれる個人投資家、cis氏は’18年も12億円以上の利益を上げたという。現在、cis氏の資産の内訳は、ずっと持ち続けている株が1%弱、金とプラチナが2%、不動産が10%、再保険商品が10%、外貨建て債券などが6%あり、残り約70%が現金で160億円ほど。cis氏がこれほどの資産を築き上げることができたのはなぜか。それは「上がり続ける株は上がり、下がり続ける株は下がる」という投資哲学によるところが大きい。
実はcis氏も株を始めたばかりの頃は、1000万円ほど負け続けていた。
「上がっている銘柄を見て、『今は上がっているけど、いずれ反転して下がるはず』と考えて、空売りして失敗するということが何度もありました。上がっている株がどこまで上がり、いつ下がるかなんて誰にもわかるわけがないのに、自分の『こうあるべき』というものを優先していたのです。確かなのは『今、上がっている』という事実のみ。であれば、マーケットの潮目に沿って行動するのが一番勝つ確率が高い。だから勝手な予想はしないで、上がっているうちは持っておくという投資スタイルにたどり着きました」
実にシンプルだが、いわゆる「順張り」がcis氏の投資スタイルの基本だという。この投資手法がピッタリ当てはまったのが、’18年、年初のオムロンだという。
中国での省力化投資の本格化や、日本では人手不足や働き方改革による自動化のための投資が好調で、オムロンは工場の自動化のための産業用ロボットなどを作っている「FA(ファクトリーオートメーション)関連銘柄」の一角として注目されていた。実際、こうした企業の商品が売れて、業績は非常によくなっていた。
「買ったのは’18年の大発会でした。米国市場でも日本市場でも買われて大きく上がっているのを見て、安川電機やファナックといったFA関連銘柄を買い漁りました。オムロンは35億円ほど買ってから1か月弱ほど保有し、10%くらい上がったところで売って3億円ほどの利益になりましたね」
《オムロンの順張りで3億円》大きく買われているのを見て、’18年の年初にFA関連株を購入。35億円ほど買ったオムロンは1か月弱で3億円の利益となった