韓国側も事態が発生した座標を明らかにしていません。独島(竹島)から北東100kmの地点としているだけです。この海域は日韓共同開発水域が双方のEEZに挟まれています。なお、今回の事態にEEZは無関係です。
韓国側は、高度150m、距離500mでP-1が接近飛行をしており、それはたいへんに脅威を感じるものであったとしています。脅威の評価は日韓それぞれ独自に行うことですし、韓国側が脅威を感じると主張する以上、そうであったのでしょう。P-1は四発機(エンジン4つ)でB737程度の大きさですので、150mの高度、500mの距離ですと、かなり迫力があったとは思います。
韓国側は、一貫して射撃電探に類せられるMW-08(三次元電探)を稼働させていたが、
STIR180は稼動させていないと主張しています。STIR180は光学モードで(望遠カメラとして)動作させたためにP-01を指向していたが、電波は発していないという主張です。
STIR180による電波照射(おそらくイルミネーターモード)は、指揮部(おそらく司令部)の許可がなければできないという主張は妥当です。
P-1からの呼びかけは、国際VHFで聞き取っていたが、受信状態が悪くKorea Coastとしか聞き取れなかったので自艦への呼びかけと考えなかったと主張していますが、韓国側映像ではハルナンバーまで聞こえています。”Korea South Naval”という呼びかけは本来”South Korea Naval”であって、かなりおかしな英語ではありますが、
返答しない理由にはならないと思います。
以上、日韓双方の公式見解をファクトとして羅列しました。次回以降、これらを受けてメディアがどのように報じたかについて論考を述べたいと思います。
『コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」』番外編――広開土大王射撃電探照射事件について1
<取材・文・撮影/牧田寛 Twitter ID:
@BB45_Colorado>
まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題についての
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