ボルソナロ政権は22人の閣僚によって構成され、その中の7人は軍人出身者である。(参照:「
Infobae」)
つまり、タカ派であり右寄りの政治に傾いて行く可能性が高い。
その意味で、これまで中国からの多額の投資があったのを、中国そしてボルソナロ政権の間でどのような取り組みが行われるか注目されるところである。これはBRICSにおいても同様で、ブラジルがこの組織に今後も加盟し続けるのか、あるいは脱退するのか注目される。外相に就任したエルネスト・アラウジョもボルソナロと同様にトランプ大統領に心酔している外交官である。ボルソナロは米国との関係を強化して米国からの積極的な投資を期待しているという。
ボルソナロ大統領の誕生によって、南米の主要国、アルゼンチン、チリ、コロンビア、ペルー、パラグアイそしてブラジルと右派の政権が揃ったことになる。右派といっても、例えば、アルゼンチン、ブラジル、チリの3か国でもアルゼンチンとチリは軍人を閣僚に任命するといったことは考えられない。またこの2か国は米国への接近も都合上の関係強化であって、ボルソナロのようにトランプ大統領に魅力を感じて米国への接近を強めているのとは異なっている。しかし、この3か国の大統領は社会主義的思想は受け付けないのは共通している。
また、今回の就任式ではイスラエルのネタニャフ首相そしてハンガリーのオルバーン首相も出席したということで、この二人は欧州連合に背こうとしている右派政権である。
いずれにしても、ラテンアメリカで最大の経済大国ブラジルが13年続いた労働者党政権とは180度方向転換しての政権運営が開始されたのだ。
<文/白石和幸>