中国での身柄拘束、スパイ容疑とそれ以外では扱いに雲泥の差

中国で拘束されるということ

 12月19日には中国での3人目のカナダ人拘束が明らかになり、翌20日、中国外務省の華春瑩報道官が拘束理由は不法労働であってスパイ容疑ではないと明らかにした。その際、少し笑みを浮かべるような表情で話していた。華報道官は日本でも厳しい表情で話すことで知られているが、発言を見た人の中には、「3人目のカナダ人も拘束されていることには変わりないのにどうして笑っているのか?」と不思議に思った人もいただろう。  これには理由と体外的なアピールが隠されている。国家の安全に関わる超重要なスパイ容疑での拘束と単なる不労労働での拘束では、同じ拘束でも雲泥の差があり本質的にまったく違うとアピールしたいのだろう。
大連市公安局

大連市公安局は、日本統治時代の警察訓練所だ

 中国ではスパイ容疑以外の罪、すなわち一般に日本で警察が行うような案件や出入国管理に関する犯罪については中華人民共和国公安部(以下、公安)が拘束、勾留して取り調べをする。以前、本サイトでもお伝えしたように公安でも相当に雑に扱われるが、国家安全局と比べるとそれでもマシと言える。(参照:スパイ容疑で在中邦人が拘束! 中国で拘束されるとどうなるのか?)  公安拘束でも(外国人の場合)最初に必ず大使館や領事館関係者の接見を受けるまでは友人や家族は面会できないが、面会は週1で認められ、面会時に現金や多少の本や衣類なら差し入れもできる。消灯もあり電気は消える。昼間はテレビを見たり、外部へ1回3分間だけ電話することも許されている(罪の重さや勾留所によって異なる。以上は大連勾留所の事例)。  それでも公安案件で拘束経験がある人に話を聞くとひどい環境で今でもたまに夢に見ると話す。  それが、国家安全局で拘束されると、それよりもさらに過酷な環境下に置かれるのだ。きっと想像に絶する辛さだろう。両者の違いは扱いだけではない。国家安全局は元々政府直属の情報機関なので予算は無尽蔵で公安の予算とは月とスッポンほど差がある。また、公安の人間は日本の警察のような制服を着ているが、国家安全局の人間は情報機関なので基本スーツを着ている。  2015年から日本人がスパイ容疑で拘束される事例が相次ぎ、現時点で8人の日本人がスパイ罪で起訴されている。この8人に加え半年以上の長期拘束されている日本人は昨年の『日本経済新聞』によると100人近いと見られているのだ。8人以外は、麻薬の運搬や殺人、傷害事件、悪質だと判断された不法滞在、不法労働などであるがいずれも公安案件として扱われている。
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日本人のスパイ容疑拘束はなぜ減っている?
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