虐待されていた4頭の宮古馬がついに救出。しかし、いまだ楽観視はできず

ボランティアらの訴えは信じず、S氏の言い分だけは信用する市の担当者

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つながれたまま飼われて骨折、2018年12月に衰弱死した仔馬カイト

 問題なのは、S氏をめぐる市の対応だ。以前の報道にもあるように、S氏のもとではつながれたままの仔馬が2018年12月11日に骨折して衰弱死したばかり。ところが飼養者説明会以降、急に「ロープでつないだのはボランティアだ」とS氏は言い始めた。  取材班が現地で確認すると、「仔馬を綱につないだのは間違いなくS氏だ」という複数の証言を得られた。からまる危険がある長さのロープでつながれていたため、仔馬が安全に動けるようにとボランティアがロープをレールつなぎにした。それをS氏は気にいらず、さらに動けないように短く縛ったのだという。  市の担当者は、これまで何度虐待を訴えても「事実が確認できない」と、何の対応もしてこなかった。ところが「ボランティアがロープをつないだ」というS氏の言い分については、市の担当者は事実確認をしないまま、抗議や問い合せをしてきた人々に話していることが判明している。  さらには、取材班が2018年(主に11月~12月)に撮影された写真や動画を多数配信していることも無視して、「『週刊SPA!』の写真は昔の写真。今はそのような状態ではない」と説明していたのだ。  この担当者は、飼養者説明会でも「メディアの力は大きくて、文字の暴力だ。宮古島に来たこともない、宮古馬を見たこともないような人が、日本全国から言葉の暴力を振るっている」と、被害者のような口ぶりで述べていた。

宮古馬をめぐる不可解な動き

痩せた母馬

S氏の馬房で餌を与えられず、やせ細った母仔馬(2018年5月)

 仔馬が生まれてきた時に出る補助金10万円についても不透明だ。市の担当者は、この補助金を「S氏に支払う」と決めたという。  救出が間に合わず死んでしまった仔馬カイトの母親は、もともとの飼い主から大事に育てられ、肥えて健康そのものだった。しかしS氏のもとで十分な餌も与えられず死んだ時には、体重が100㎏を切るほどまでにやせ細っていた。そしてさらに仔馬までも、生まれて6か月で死んでしまったというのに……。  担当者はその理由を「6か月でも面倒をみたのは、Sさんなので」と説明している。母親を失った仔馬に、ミルクや餌を与えていたのはボランティアの人たちだ。それに補助金を渡すべき相手は、妊娠した馬を直前まで大事に育てていた、元の飼い主ではないのだろうか?  さらにS氏は最近、このようなことを言い出しているという情報が入ってきた。 「N氏のもとから救出される3頭の馬は、オーシャンリンクス宮古島リゾート(地元のリゾートホテル)に行くことになっていて、馬の世話は自分がやるということで話がついている」 「オーシャンリンクスとも、すでにそういう約束になっている」 「いずれ宮古馬は天然記念物から外れることになっていて、全頭がオーシャンリンクスに手渡され、自分がその飼育係としての仕事を得る」  といったものだ。
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宮古馬たちの「平穏な生活」はまだ遠い……
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