沖縄の米海兵隊は「日本を守る」というよりも、他国への“殴り込み部隊”
「NGO非戦ネット」の呼びかけ人の谷山博史さんは「国際協力を通してグローバルな課題の解決に取り組むNGO関係者635名および組織77団体で構成されるNGO非戦ネットを代表して、政府の土砂投入強行に抗議の意を表明いたします」と語った。またアフガニスタン等での経験から「攻撃的な機能を持つ基地を造って、実際日米一体となって運用していった場合、取り返しのつかないリスクを日本人に負わせることになると言えます」と指摘した。
在沖米軍基地の主力は海兵隊であり、これは日本の防衛のためというよりも、中東などの紛争地へ出撃していく“殴り込み部隊”だ。つまり「沖縄から出撃した米軍海兵隊が、現地の人々を殺傷することで、日本に対する憎悪も招きかねない」と谷山さんは危惧しているのである。実際、筆者がイラクで取材する中で、何人もの米軍兵士たちが「俺たちは沖縄から来た」と言っていたし、またそれをイラクの人々も知っていた。
これに関連して前出の井筒さんも「沖縄の海兵隊の実戦部隊は年間で半年以上、沖縄にはいない。これでどうやって『中国の脅威』に対処するのでしょうか?」と「在沖米軍基地は日本のため」という岩屋毅・防衛相の抑止力論に疑問を呈した。沖縄の米軍基地は日本の平和を守るためのものではなく、むしろ特に在外邦人のリスクを増大させるというわけだ。
国際環境NGO「FoEJapan」事務局長の満田夏花さんはじめ、会見したNGO関係者らは口々に「これは沖縄の問題というより、日本全体の問題」「人々の暮らし、人権、未来を選択する権利が守ら れるべき」だと強調。沖縄県だけでなく全国の人々も、辺野古への新基地建設などの在日米軍基地問題へ関心を持ち、声を上げていくことが重要だと訴えた。
【ニュース・レジスタンス】
取材・文/志葉玲(ジャーナリスト)