有職者の3人に1人が「バイト経験あり」。家計のために副業を余儀なくされる実態が明らかに

職種や負担についての現実

 必要に迫られて複業を余儀なくされる実態が明らかになったところで、そんな複業アルバイトの職種と仕事を選んだ動機について、アンケート結果から抽出した声を見てみよう。 【職種選び編】  まず、シフトが組みやすかったり、家から近い、時間の融通が利くなどの理由からは「コンビニ」(男性・33歳ほか)、「新聞配達」(女性・33歳)、「ファミレス」(男性・41歳)、「ティッシュ配り」(男性・30歳)などが挙げられた。  給与面では「運送業」(男性・54歳ほか)、「警備員」(男性・43歳ほか)、「郵便物の仕分け」(女性・53歳)、「工場」(女性・44歳)があった。変わり種では、会社員でありながら「歯科でバイト。歯科医師資格を持つため」(男性・43歳)という例。なぜ、本業で歯科医師をしないのか……。逆に、医療関係者でありながら「前からやっていたから」という理由で「公営ギャンブルのバイト」(男性・33歳)というケースも。「好きだから」という理由で「ラーメン屋」(男性・31歳ほか)も。どうせ苦しむなら好きなことをやりたいということだろう。 【負担編】  負担になる点については当然というべきか「睡眠不足」(男性・38歳・居酒屋ほか多数)が最も多かった。また、人間関係上の苦労もつきもの。「雇用された時期の問題なのか、先輩にあたる同僚たちより賃金が僅かに高かったため、妬まれて苦労した」(男性・54歳・清掃)という例も。ただでさえ本業で消耗しているのに、煩わされたくない。そしてやはり「自分より若いスタッフにこき使われる」(女性・33歳・販売ほか)も無視できない。 【会社バレ対策編】  次に、アルバイトの勤務先バレにどう気を使うかについて。 「事前に届け出をすれば許可される」(男性・40歳・ガソリンスタンドほか)という例も多かったが、「住民税を別納にする」(男性・42歳ほか)、「自宅付近でバイトする」(男性・33歳・コンビニ)なども。「噂が広がるのを防ぐため、バイト先で仲のいい人をつくらない」(女性・40歳・仕分け)という対策を取る人もいた。  副業規定で禁止されている場合も多いが、大多数が「バレていない」(男性・36歳・運送業ほか多数)と自信を見せた。いずれにしろ税金対策を行わなければ会社に発覚するのは免れないわけだが、なかには、会社が見て見ぬふりをしてくれる例もあるらしい。 「バイト先ではマイナンバーを申告しなければならないので、経理にはバレていたと思うが、お咎めなしだった」(女性・49歳・軽作業)  「複業」として収入形態を複数持つことがまるで賢い選択肢かのように喧伝される中、実態はかなり厳しい現実がある昨今のダブルワーク事情。果たして、このような状況は今後のスタンダードになっていくのだろうか? <取材・文/週刊SPA!取材班 アンケート協力/リサーチプラス>
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