これが「複業推奨」の現実!? 並び屋バイトで食いつなぐ社員兼ポスドクの悲哀
「複業」が叫ばれ収入形態を複数持つことを推奨される昨今。その名のとおり、会社員をやりつつアルバイトに身をやつす人々も……。まさに「働き方改革」の裏街道に横たわる阿鼻叫喚を聞け。今回はさまざまな理由は怪しいバイトを余儀なくされた2人のお話。
本業 研究員 月収14万円/バイト 並び屋 月収8万円
独立行政法人で研究員(嘱託社員)として働く秋山光太郎さん(仮名・35歳)の手取りは月14万円。東大大学院生でもあるため学費も納めなければならず、これでは到底生活できなかった。
「そんなとき、たまたま見た掲示板サイト『ジモティー』で並び屋の募集を見つけました。副業は一切禁止だったので、現金手渡しでバレないのが決め手でした」
家電量販店やブランドショップの抽選会に朝9~11時に並んで2000円。当たれば5000円。月に約5万~8万円を稼いだ。
「とあるアクセサリーブランドでは一回で最高7万円も稼げました。当たると大きいので月の半分はやってましたね。その半面、研究が疎かになり担当教授には呆れられてました。それでもカネの誘惑に負けて、大事な研究会がある日も並んでました」
プライドが折れそうになると、次のようにやりすごしたという。
「通りすがりの人に見られたり、汚い格好をした同じ並び屋がケツをかいてたりすると、目を閉じて『本当は俺は研究員で東大生なんだ。あいつらと違うんだ』と自分に言い聞かせていました」
一番苦痛だったのが、お金をもらうときだったとか。
「並び屋の発注元は、自分より若く素性もわからない怪しい輩。そんな人からコソコソしながらお金を受け取るのは辛かったです」
将来、ノーベル賞を獲れば苦痛もチャラになるかもしれない。
並び屋バイトで食いつなぐ社員兼ポスドクの悲哀
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