ビジネススキル向上の決め手は、解説よりも行動の反復

山口博
 筆者は身につけたいスキルをパーツ分解し、コアスキルを反復演習して、まさにその場で体得するビジネススキル向上プログラムを実施している。この連載のタイトルにもなっている「分解スキル反復演習型能力開発プログラム」だ。理論や理屈の解説をいくら聞いても、行動してみる、話法を繰り出すということができなければ、実践で役にたつとは言えないだろう。

スキル向上のヒントは素朴な疑問に宿る

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 では、実践的な演習とは、どのようなものか? 筆者が行うプログラムでは、2時間の間、ほとんどの時間をロールプレイングや、グループ検討などの演習で進行して、ひたすら行動や話法を繰り出す訓練をしていく。  トレーナーである私はほとんど解説をしない。そのかわり、参加者に質問に答えていただくことでプログラムを進行していく。私が質問する内容は、20年来実施してきた過去の演習参加者が、行動や話法でスキルを発揮しようとしたときに疑問に思ったり、壁にぶつかったときに質問してくれたことだ。  企業で実施する研修のなかには、質問を受けつけなかったり、きわめて限られた時間でしか質疑応答をしないものもある。しかし、参加者が素朴に思う疑問や気にかかったことには、スキル向上の大きなヒントが含まれている場合が実に多い。  それは当然なことで、スキル向上をしたいと思うからには、それができない状況や克服したい現状があるのだ。疑問に思ったり壁にぶつかったりすること自体が、スキル向上の出発点と言えるだろう。演習中はほとんど解説をしないので、基本的な知識は事前に修得してもらう。疑問に思ってもらうことはとても重要なことなので、事前に何が気になっているのか参加者自身に見極めてもらうのだ。  そのために、私は演習に参加する前に、そのための図解ドリル書籍「チームを動かすファシリテーションのドリル」を読んでもらう。そして、たいていの場合、私に感想や質問をメールで送っていただき、返答するということを行っている。ドリルを読んでもらったり、私とメールでやりとりすることで、自分自身が発揮できていると思ったり、反対にできていないと感じるスキルが明確になっていくので、その後の演習効果は格段に上がる。参加者は発揮できているスキルをさらに高めてもいいし、苦手なスキルを克服してもよい。  読者の皆さんのなかでも、ドリルを読んで感想や質問を送ってみたいと思ったら、あとがきに記載している筆者のメールアドレスへ遠慮なく送っていただきたい。数日の間に返信させていただきます。どの程度、身につけたいスキルが明確になるものなのか、実感していただけることだろう。  演習では私が質問を投げかけ、参加者の方に考えていただき、答えていただく。そのうえで、これまでの参加者が最もスキルを高めることができた方法で演習を行い、そのスキルを身につけていただくということを繰り返している。
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相手の目を見て話せないときの解決法とは?
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