視覚化で「空っぽ」ぶりがよくわかる安倍総理答弁の異常さ<短期集中連載・2018年閣僚答弁プレイバック3>

犬飼淳

日米地位協定を延々と解説する総理

 続いて2つ目は、今年11月7日の参議院予算委員会。2018年9月の沖縄知事選挙で与党が推薦した佐喜真淳候補は落選したものの、公約として日米地位協定の改定を訴えていた。そこで共産党・小池晃議員は河野外相と安倍総理に日米地位協定改定の意思を質問した。全く質問に答えずリピート答弁に終始した河野外相の後、安倍総理も答弁に立っている。(動画の1分40秒~)  その質疑を1枚で視覚化したのがこちらだ。 まさに、えー、河野外務大臣がですね、述べたことは、えー、ま、例えばですね、日本側に第一次、えー、裁判権がある犯罪の被疑者たる米軍人軍属の拘禁についても、日米合意に基づいて実際にですね、起訴前に日本側への移転が行われてきているわけで、えー、ございます。そしてまた、先ほどですね、えー、わ、わ、私どもの成果である環境や軍属に関する補足協定についてですね、えー、非常に、この、低い評価をされましたが、まさに、例えば環境においてもですね、我々がしっかりと米国、また米軍とですね、話合いをしていく、ま、基礎となるものでもあるわけで、えー、あります。えー、同時にですね、ま、軍属についてもですね、米側としてもですね、軍属の範囲が広がって、えー、いることによって彼らのこの、おー、負担も広がっていくということにもなるわけでございますし、えー、ま、これは今までになかったものであることは事実だろうと思うわけでありますし、これは国際約束の形式で得た、あー、わけでございまして、これは日米地位協定の締結から半世紀を経て初めてのことでありまして我々としてはですね、現実的に適切に効果的に対応し、一つ一つ積み上げていきたいと、こう考えております。」  ここに質問に対する回答が1文字でもあるだろうか?  もし質問内容が「日米地位協定の経緯を教えてください」であれば、この答弁は回答になり得る。しかし、実際の質問内容は「日米地位協定の改定は?」である。小池晃議員が答弁後にすぐ「全く答えになっていない」と指摘した通り、改定の意思には一言も触れていない。  では、一体何を喋っていたのかと言うと、その中身は真っ黄色(=質問の背景や経緯を説明)。  日米地位協定の内容や軍属に関する補足協定を延々と説明しているだけ。そんなことは質問者の小池晃議員は知っているにも関わらず、だ。  自分が答弁者なのにまるで解説者のように延々と背景や経緯を説明し続ける安倍総理。質問に関係するキーワード(このケースの場合、日米地位協定、米軍人、軍属、補足協定、など)が頻繁に出てくるため、何となく聞いていると質問に関係する内容を答えていると錯覚するが、ここで視覚化した通り、その中身は空っぽだ。  安倍総理は質問内容を理解できないのか、質問に答えたくないから時間稼ぎをしているか、どちらかだろう。前者であれば国語力の深刻な欠如、後者であれば国会運営の悪質な妨害に他ならない。 <文・図版・動画作成/犬飼淳 TwitterID/@jun21101016> 【犬飼淳氏】 サラリーマンとして勤務する傍ら、自身のnoteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。最近は「赤黄青で国会ウォッチ」と題して、Youtube動画で国会答弁の視覚化に取り組む。  犬飼淳氏の(note)では数多くの答弁を「信号無視話法」などを駆使して視覚化している。また、同様にYouTubeチャンネル(日本語版英語版)でも国会答弁の視覚化を行い、全世界に向けて発信している
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