さらに、ここ10年以上、愛人をしている女性にお伺いしたところ、富裕層男性の「セックス」自体も悪いように変化しているそうです。
一言でいいますと、「AVの見過ぎ」でございますね。ここではおおっぴらに書けませんが、まるでAVのプレイのように、女性にとって無理のある、身体的負担が多いセックスを求める男性が増えているのです。
ニッチな性情報が手に入りづらかった1980年代と比べると、ネットが発達した昨今は、無理なプレイをさせるAVを誰もが見ることができます。それを愛人相手に試そうとする男性が多いのです。
「妻にはできないけれど、愛人には変態性欲を告白できる」とか、「お金を払っているのだから、これくらい良いだろう」という思いもあるでしょう。
しかし、バブル期の5分の1しか支払われず、おまけにAVのようなセックスを求められる女性としては、たまったものではございません。1回あたりの単価が下落している上に、求められるセックスが深刻化しているのですから。
愛人を求める男性には必ず「下心」が存在します。ウェブスターの小説『あしながおじさん』のように、肉体関係が全くない少女に、毎月援助をしてくれる優しい男性はおりません(そもそも『あしながおじさん』自体も「資産家が学費を援助した」という物語ですので、若い女性がしこたま儲けたというお話ではありませんが)。
話が逸れましたが、男性は基本的に、性欲を含めた色恋への欲をお金に変えておられます。その「性欲」の部分が、AVの影響で複雑化している上に、長引く不況でセックス1回あたりの単価は下がっている。
バブル期に愛人をしていた女性たちからすれば「そんな低価格で、よくおじさんと交際できるわね」というケースも多々あるのです。不況とAVの普及は、愛人マーケットに最悪の影響を及ぼしたといえるでしょう。
<文・東條才子>