日本で一時期、「笑顔体操」が流行ったことを覚えているだろうか? 意図的に笑顔を作ることで楽しい気持ちになり、ストレス解消などに効果があるとされていたものだ。
文教大学の石原俊一教授の論文においても、自発的な笑いによって、ネガティブ感情が低下し、ポジティブ感情が増加する効果が認められている。
今回紹介した「ハイパワーポーズ」も「笑顔体操」と同じことをしていると考えたら、納得しやすいかもしれない。意図的に自信のあるポーズをとることで、自信を高めることが可能なのである。
「ハイパワーポーズ」を使った実験には、以下のようなものもある。
まず、強いストレスのかかる面接を受ける前に、参加者を約2分間「ハイパワーポーズ」をとるグループと、「ローパワーポーズ」(背中を丸めたり、うつむいたりするような自信がない時のポーズ)をとるグループにわける。
その後、別の参加者に面接風景の録画映像を観てもらい、面接を受けている人の評価をつけてもらった。もちろん、評価する人間は面接の前に誰がどのポーズをとったかは知らされていない。
その結果、「この人を採用したい」と評価された参加者は、全員が「ハイパワーポーズ」をとった者だった。
これについて、エイミー・カディ氏は「自信のある態度が評価を高めたのではないか」と言及している。