「それでも私は、言うべきことを言い続ける」<石破茂氏>

月刊日本
石破氏

(写真/菊竹規)

 12月10日に閉会した臨時国会。安倍政権は強引な国会運営によって、新規法案13本をすべて成立させた。  国の形を大きく変えることになるであろう入管法改正案をはじめ、水道法改正案、漁業法改正案などの重要法案が、十分な審議を経ずに通過したのである。  スケジュールありき、結論ありきの国会運営がまかり通っている。国権の最高機関たる国会が、政権の下請け機関になっているのだ。  『月刊日本』1月号では、こうした民主主義への冒涜が蔓延した国会の現状を受けて「国会は死んだ」という大特集を打った。同記事から、先の総裁選に立候補し、安倍政権に物言える自民党政治家のイメージを色濃く残した石破茂氏へのインタビューを紹介したい。

民主主義の根幹が揺らいでいる

── 2018年7月31日に、大島理森衆院議長が、先の通常国会を振り返る形で、異例の所感を公表しました。法律の制定や行政監視における立法府の判断を誤らせるおそれがある具体的な事例として、森友問題の文書改竄、厚生労働省による裁量労働制に関する不適切なデータ、自衛隊の日報の杜撰な文書管理の三つを挙げました。 石破茂・自民党元幹事長(以下、石破): 大島議長は、先の通常国会で議院内閣制における立法府と行政府の間の基本的な信任関係に関わる問題、国政に対する国民の信頼に関わる問題が数多く明らかになったと指摘されました。そして、これが「民主主義の根幹を揺るがす問題であり、行政府・立法府は、共に深刻に自省し、改善を図らねばなりません」と明確に述べられました。私は、大島議長の指摘はその通りだと思い、非常に共感をもってこの談話を読みました。  ところが、この談話に対する行政府や、政党の反応は、あまり大きなものではありませんでした。自民党内でもほとんど議論になりませんでした。大島議長のご指摘の重大性を認識していないということだとすれば、極めて深刻な状況だと思います。  このような異例の所感を出されるに至ったのは、議長のやむにやまれぬ思いがあったからだと思います。2009年7月の総選挙で我々自民党は大敗し、野に下りました。麻生太郎総理に代わり、谷垣禎一先生が総裁に就きました。そして、谷垣総裁のもと、大島議長は幹事長として、私は政調会長として、自民党を立て直すために党改革に必死で取り組みました。大島議長には、真摯な反省に基づいた党改革の経験があったからこそ、現状への危機感を強く感じられているのだと思います。
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自民党綱領の「国会の公正な運営」はどうした?
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月刊日本2019年1月号

特集1【国会は死んだ】
特集2【激論 北方領土問題】
特集3【ゴーン事件が暴いた日本の病理】
【特別対談】中島岳志VS植村隆 慰安婦問題とどう向き合うか

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