いよいよ山場を迎えたBrexit。「合意なき離脱」ならば10~15%の下落は必至
2018.12.23
仮に「合意なき離脱」で決着したら経済的ダメージは計り知れない。
「実は、合意なしの可能性を念頭に英国民と企業はすでに備蓄を進めています。特に品薄になっているのは薬。強硬離脱すれば、その日から関税が発生して税関が混乱するのは必至。イギリスの航空会社はEU域内の乗り入れができなくなるので、物流網は大混乱するのです。おそらく、’19年3月にかけて備蓄目的の駆け込み消費が発生するので、4―6月期からイギリスの景気は急激に冷え込んでいくことでしょう」
英ポンド売りよりも、買いのほうが大きな値幅が狙えるというのだ。ポンドを中心にしたトレードで注目を浴びているトレーダーも同調する。
「期限よりも早く合意に達したら、合意内容に対する批判が巻き起こって修正を余儀なくされるケースもある。ディールの鉄則を考えても、期限ギリギリで合意に達して英ポンド買いが進むシナリオが現実的と考えています」
こう話すAki氏は今年だけで4億円も稼いでいるスゴ腕トレーダー。11月には英ポンド/円の売りで1億4000万円もの含み損を抱えて(18ページ参照)ツイッター民をザワつかせたが、最終的に5000万円の損切りを行った後、数日で損失を取り返した。そのトレードの肝は「ボラティリティ(変動率)を取ること」。
では、’19年のポンド相場の予想は?「合意なしならば10~15%は急落するというのがコンセンサス。イギリス系の金融機関は英ポンド/米ドルで1.20までの急落もありえると予想しています。ただ、経済的ダメージの大きさを考えると最終的には合意に達すると予想している専門家が多い。そもそもポンドは明らかに売られすぎなんです。当然、合意に達したときのインパクトは大きい。アメリカに次いで利上げに転じた国であることを考えれば、金利上昇圧力もあって’18年4月の高値である1.43までは一気に回復する可能性が高い」
振れ幅の大きな英ポンドは中央線からの乖離を取れ!
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