民泊用物件は安いからいいというわけでもない〜金欠フリーライター、民泊をはじめる(5)

タカ大丸
juutakugai

※写真はイメージです photo by まちゃー / PIXTA(ピクスタ)

 金欠フリーライターが銀行から数千万円の借金をして一軒家を購入し、民泊営業にこぎつけた経緯を描く本シリーズ。   観光庁が“法律違反”を犯した6月2日(※第一回参照)以来、筆者は自宅購入に動き始めていた。  最初に考えたのは大田区だった。民泊特区であり、言うまでもなく羽田空港が近い。目を付けたのは築30年弱の4LDKだった。    実際に内見すると、玄関が二つあり実質二世帯住宅であることがわかる。ただ、当然ながら壁や畳などの傷みが激しく、すぐに稼働とはいかない。同行してもらった不動産業者の見立てによると、おそらくはリフォームで百万円前後必要、それで約一か月はかかりそうだという。  ローンは徒歩圏内にある信用金庫にある元の持ち主のローンを引き継ぐ形になるとのことだったが、フリーランスという点がひっかかったのか結局ローンは通らなかった。  次に考えたのは、都内の競売物件である。当たり前だが、急いで売りたい、現金化したいという希望が強いわけで、相場より安く物件が手に入る可能性が高い。何件かの資料を見て、興味が出てきた物件が二つあった。

外国人受け入れ民泊の重要ポイント

 一つは都内東部にあるJR総武線沿いの駅近くにある物件である。もう一つは、同じく都内で都内北東部の駅からバスで20分ほどのところにある物件だった。  ここで一つ重要なポイントがある。「JR線沿い」というのが非常に重要ということだ。これまで三年半で数百人のゲストを迎えてきたが、経験上九割以上が「ジャパンレールパス」なるチケットを持っている。外国人専用で一定日数新幹線に乗り放題というものだ。  ほとんどの人にとって、極東の端にある日本に来るのは人生の一大イベントだろう。どうせ日本に来るなら、東京だけでなくほかにも行きたくなるのが人情だ。よって、我が家に滞在した人の大部分がジャパンレールパスを持っていた。  何気なくどこに行くのか聞いてみると、ほぼ全員が「京都」八割くらいが「大阪」五割か六割くらいが「広島」と答える。ちなみに、名古屋はほとんどいない。筆者の記憶する限りでは、昔名古屋で英語教師をしていたというオーストラリア人の新婚カップルと、名古屋の日本語学校に通っているというフランス人女子学生くらいだった。  本来であれば、成田空港から三ノ輪に来るのであれば東京駅まで千円のバスに乗り、そこからJRで上野まで行き、そこから東京メトロに乗り換えるのが常道で安上がりだと思うのだが、たとえば成田で成田線に乗り換え、我孫子から常磐線で南千住まで来たりとか、無理やりにでもJRで来ようとする人が結構いた。なので、できればJR沿いがいいのである。  ということで、旅行先のタイから戻ってきた後に総武線沿いの物件に行ってみた。  駅からは徒歩7~8分程度で位置は申し分ない。報告書によると家のすぐとなりに小さな建物があり、それが家に向かって倒れてきているという記述があったが、見る限りそれほど自宅の安全に影響を及ぼすもののようには見えない。  一階は駐車スペースだが、見ると車のサイドミラーがない。おそらく、修繕費も出せないほど生活に困窮しているであろうことが容易に想像できた。  そう考えると、相場よりこの家を安く買える可能性は非常に高い。ただ、さきほどの大田区の物件と同じかそれ以上に修繕費がかかるおそれがある。しかも、競売の弱みは中を見ることができないということである。しかも、ある程度現金が必要だ。
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民泊には駅から徒歩15分以内がマスト
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