ネタニャフ首相の同盟構築プランに関心を抱いているのはそれらの国だけではない。
12月12日、イタリアの北部同盟のリーダーで現内閣の内相を務めるマテオ・サルビニがイスラエルを訪問してそれに加わった。サルビニもEUのイスラエルに対する過度な批判の修正を求めている。(参照:「
El Pais」)
その一方で、ネタニャフ首相が進める極右やファシスト的な政治リーダーとの同盟づくりにイスラエル国内でも反対意見もある。サルビニの訪問にイスラエルのリブリン大統領は「ファシズムが復興しているのはイスラエル国家にとって有益にはならない」とCNNのインタビューに答えたことがあったが、同大統領は日程上の不都合を理由にサルビニとの会談を行っていない。イスラエルのアナリストやヨーロッパの外交筋ではCNNとのインタビューで答えたことがサルビニとの会談を設けなかった理由だと憶測されている。(参照:「
El Pais」)
同様に、イスラエル国際関係協会のニムロッド・ゴリン会長は、イスラエルの同盟としてヴィシェグラード・グループを選択したことは自由民主主義の価値から遠ざかるものであるという評価を下している。それは東欧諸国では人権無視から言論の自由が制限されたりして民主主義が崩壊しつつあるからである。(参照:「
Monitor de Oriente」)
ネタニャフ首相は1月には首相としてブラジルを初めて訪問する予定だ。同じく極右のボルソナロの大統領就任式に出席するためである。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身