進むレジ無人化。キャッシュレス化に伴い日本でも今後増加するか?

IMG-0165

JR赤羽駅の“無人キオスク”は、飲料やパン、菓子など約140種類の品揃え。交通系ICカードで決済する。JRは無人化でキオスクの再生を目指すという

 

アマゾンが仕掛けた無人店舗が日本でも増殖する“理由”とは

 米国では無人レジ店舗「Amazon Go」が話題を集め、キャッシュレス先進国・中国では無人コンビニが増加中。日本では、ローソンが無人レジの実証実験を行い、JR赤羽駅には“無人キオスク”が登場した。  無人店舗化が加速する背景を、モバイル決済ジャーナリストの鈴木淳也氏はこう説明する。 「コスト面と技術面で、商用化のニーズに追いついたのが大きい。ただ、小売業の業務フローは過去数十年、変化しておらず、商品管理が電子化されたり、現金以外の決済が可能になったことを除けば、人に依存する部分が大きいままです。日本は労働人口減少への対策が喫緊のテーマでもあり、効率化や業務改善のために手を付ける余地が多分にあることが認識され、無人店舗化に弾みがついたのです。一方、米国も労働人口の4割が小売業関連に従事しているといわれ、需給バランスが崩れたときを見越した動きなのでしょう」  人手不足対策になるのはいいが、店員がいなければ万引きが増えそうな気も……。ハードルは高くないのか? 「問題は2つです。1つは法的・セキュリティ的なハードル。万引きもこれに含まれます。そして、もう1つは新技術や新サービスに客が適応できるか。誰しも慣れ親しんだスタイルを脱するのは難しいもの。無人レジの実証実験では、多忙で精算を早く済ませたい客が多いビジネス街では高評価だったが、住宅街では芳しくなかった……。ただ、将来的には、低コストでないと維持できないような過疎地域でこそ、無人店舗が活用されるべきと考えます」  無人店舗化は、単に人手不足を解消するための手段ではないのだ。 取材・文/斎藤武宏
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会