公明党議員も出席した日本会議イベントで、より明確になった安倍の「公私混同」改憲

菅野完

公明党の魚住裕一郎議員も参加した日本会議改憲イベント

 首相周辺が騒ぐ目下の改憲作業には、とかくこの「公私混同」がついてまわる。  12月5日、日本会議(厳密にはそのフロント団体である「美しい日本の憲法をつくる国民の会」)は東京・砂防会館において、「待ったなし!憲法改正の国会論議 全国大会」なるイベントを開催された。  元来改憲論者である筆者としても、日本会議がどのような議論を展開するのか興味を持ち、このイベントに参加を申し込んだが、なぜか「本会合は、本会の憲法改正の趣旨に賛同する人の大会です。貴方の入場は会の運営に妨げになることから、固くお断りいたします。」とのことで、参加を断られる結果となった。  取材のため開催当日に現場に向かったが、その場でも「菅野さんの参加は断ります」の一点張りであり埒が開かない。もっとも押し問答の結果、「警備スタッフ」と称する人々が「青協(日本会議の中核を成す生長の家原理主義者たちの右翼団体=日本青年協議会)メンバー」と自ら名乗ることや、その「警備スタッフ」と称する人の胸に、生長の家原理主義者たちがつける「住吉神バッチ」がついていることなどが確認できたり、あるいは、楽屋に向かう、櫻井よしこや、伊藤哲夫などの姿を視認できたりなど、むしろ素直に参加するよりも断れた方が取材として大成果をあげることができ上々の首尾で安堵する結果となったのは喜ばしい限りではある。
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イベント会場の書籍販売ブース

 個人的な喜びはさておき。  イベントに参加した人の話などを総合すると、イベントそのものは「いつもと変わらない日本会議のイベント」でしかない。  司会は日本青年協議会(生長の家学生運動を源流とする右翼団体)の中山直也が担当し、みなで国歌を斉唱し、櫻井よしこが登壇し甘ったるい声で改憲の必要性を訴える基調演説をし、「各界の有名人」と称する人々が相次いで挨拶し、様々な国会議員が登場し、大会の宣言を採択して終わるといういつものパターンだ。  いつも通りに行われ、いつも通りに進む、日本会議独特の極めて段取りのいいこの集会に特色があるとすれば、106名の国会議員(筆者カウント)が本人出席していることぐらいだろう。秘書などの代理出席を含めるとその数はもっと増えるはずだ。参加国会議員は、自民党、希望の党、維新、そして公明党と、所謂「改憲党派」に所属するメンバーばかりとはいえ、その数の多さには驚く。  自民党や、日本会議の集める改憲署名への協力を所属国会議員全てに義務化している維新の会の連中が、日本会議の改憲イベントに参加することは驚く必要はないが、公明党からの参加者が魚住裕一郎であることは注目だろう。なにせ魚住は、目下、参院の法務委員会委員長であり、公明党の中にあっては、中央幹事、参議院議員会長、そして憲法調査会長代理を務める幹部中の幹部だ。その彼が出席したということは、もはや公明党として、「日本会議の改憲運動に協力します」という意思表示だとしか考えられない。  創価学会員が生長の家信者を支えるというのだから、もはや隔世の感という言葉では追いつかないほどの「珍事」だ。
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同会の式次第

 国会議員の参加がいつも以上に多いという点を除き、12月5日の日本会議のイベント「待ったなし!憲法改正の国会論議 全国大会」にはイベントとして特筆すべきポイントはない。先述のように「いつもの日本会議のイベントパターン」を踏襲しているものにすぎない。  ただ、見逃せないのは、採択された「宣言」の中にあるこの一文だ。 「一、全国の選挙区に、国民投票に向けた啓発活動の推進拠点を設立し、憲法改正の国民的論議を地方から醸成する。」  全国の選挙区に拠点を設立することは、このイベントの中でも強調された点でもある。  イベントの中盤、司会の中山は 「全国には289の衆議院小選挙区や参議院の選挙区がありますが、現在、来るべき国民投票に向けて、各選挙区ごとに、憲法改正の意義を伝える推進拠点作りが進み、その数は現在202を数えるに至っております。」  と、日本会議による「改憲拠点づくり」が順調な進捗をみせていることを強調した上で、参加者として会場にいる拠点メンバーを 「この拠点からこられた赤いバラをつけたみなさん。どうぞその場でお立ち上がりください。そして各選挙区のプラカードぜひ高く掲げていただきたいと思います。どうぞ盛大な拍手を!」  と紹介し、称揚してみせた。  これが単なる、「セクトがセクト内部に向かって、士気を挙げるために行ったプレゼンテーション」であれば何ら問題はない。セクトらしく内部で盛り上がっていればよいだけのことではある。  しかしこの路線は、自民党の改憲推進本部の基本路線と綺麗に同調しているものなのだ。
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自民党古参議員も知らぬ「安倍と私兵」による公私混同改憲
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