タカ:染谷さんご自身はブログを書き始めて食えるようになるまでどれくらいの時間がかかりましたか?
染谷:僕の場合は6年くらいかかりましたね。ただ、最初の5年は半分趣味でやっていましたから。それからリーマンショックなんかがあって会社を辞め、何が何でもブログで食えるようにならなければと本気になってからは約1年でしたね。最低限の文字が書けるとか、広告を知っているとかはあっても、なかなか皆さん文章を書くって続かないですからね……。
タカ:文章を書くって、ほんと長続きしないですよね……。
染谷:でもね、発信さえ続けていればどこかでお金に換えることは可能なんですよ。たとえば、魚釣りのブログをやっているとしますね。それから何人か仲間・読者ができて、そうなったらある時に「今度XXへ釣りに行こうよ。全部手配するから少し会費をちょうだいね」ということはできるんですよ。広告主がいなくても、仲間を作ってイベントのときに課金することはできるんですよ。だから、まずは続けることが重要だと思います。
タカ:似たような経験がありましてね。壱岐島に50㎞走りに行ったことがあるのですが、前夜祭で隣に座った人が九州のコンサルタントで、その後その人に講演で呼ばれました。
染谷:趣味が共通しているという時点で下駄をはいているのと同じですし、そうやって発信し続けることがまずは第一ではないかなと。あとは移動力によって経験が変わるというのは痛感します。
タカ:染谷さんは本の中で新しい収入源の一つとして民泊についても触れておられますが、今後の民泊についてはどうお考えですか?
染谷:衰退することはないと思いますが、日本の国というか政府が話を複雑にしていると思いますね。今後はちゃんとやっていく人と飽きちゃって辞めていく人と二極化していくかなと感じています。東京五輪後は宿が余ってスーパーホストだけが生き残って勢力を拡大していくという可能性はあると思います。友人が奈良で民泊をやっているのですが、六月の法律改変後すごく大変になったと言っていました。
タカ:私もその大変な作業を全部やりましたからよく知ってますよ…意味不明な書類と手続きばかりですからね。その上で観光庁が法律違反で民泊新法が憲法違反ですからね。
染谷:日本ってね、海外から入ってきたサービスがあって当然になるまでは動かないという傾向がありますよね。
タカ:民泊なしでどうやって東京五輪をやるのか、聞いてみたいですよね。
染谷:無理でしょう。選手たちはもちろん、ボランティアの皆さんはどこに泊まればいいのか…現時点で応募する人はいるみたいですけど、いざ本番が近づいたら仕事その他の都合がつかなくなってみんないなくなるんじゃないですかね。
タカ:私が一番心配しているのは死者が出ることですよ。マラソンなんて、日中にやるなど正気の沙汰ではありません。私、この問題を解決するには早朝三時にスタートするか、マラソンだけは稚内でやるしかない―札幌でも暑すぎてダメです―という考えなんですよ。
まずは何よりも、具体的な第一歩を踏み出すことが大事だ。荒唐無稽に聞こえるかもしれないが、それは相撲部屋の門戸を叩くのだってありだし、草野球やサッカーの審判の資格を取ってみるのもいい。ブログをたちあげてみるのもいい。まずは始めてみれば、マネタイズする道が開けてくるのだ。
※さらに本に収録できなかった内容、そして「複業」と「副業」の違いについてさらに語りつくす次回は近日公開予定。
【タカ大丸】
ジャーナリスト、TVリポーター、英語同時通訳・スペイン語通訳者。ニューヨーク州立大学ポツダム校とテル・アヴィヴ大学で政治学を専攻。’10年10月のチリ鉱山落盤事故作業員救出の際にはスペイン語通訳として民放各局から依頼が殺到。2015年3月発売の『
ジョコビッチの生まれ変わる食事』は15万部を突破し、現在新装版が発売。最新の訳書に「
ナダル・ノート すべては訓練次第」(東邦出版)。10月に初の単著『
貧困脱出マニュアル』(飛鳥新社)を上梓。 雑誌「月刊VOICE」「プレジデント」などで執筆するほか、テレビ朝日「たけしのTVタックル」「たけしの超常現象Xファイル」TBS「水曜日のダウンタウン」などテレビ出演も多数。