戦後の株価の「おおよそ」の動きを知り、ネット株投資の「相場観」を身に付けよう

三橋規宏

株価上昇 ネット株投資において、株価がどのような変遷を経て今日に至っているのかの「おおよそ」の動きを知ることは、自分なりの相場観を身に付けるために必要です。株価は常に、上昇・下落を繰り返しながら変化を続けています。

 景気がよく、長いトレンドで見て株価が右肩上がりの上昇局面にある時でも、株価はその過程で小幅な上下変動を繰り返します。逆に不況が続いて株価が右足下がりの局面でも、短期的に見ると株価は一直線で下げ続けているわけではなく、上下変動を繰り返しながら、全体として下落していることが分かります。

 さらに、上昇していた株価がある日を境に下落に転ずる場合、逆に下落していた株価がある日を境に底を打ち上昇に転ずる場合もあります。なぜ、そのような転換が起こるのか、その理由を探り、自分なりに納得することも大切です。

 景気や物価動向、金融政策の転換、対外貿易摩擦、地政学リスク、さらに経済活動に深刻な影響を与えるようなテロや事故、大地震や大雨、洪水などの天変地異など様々な要因が複雑に絡み合って株価に影響を与えます。

 さらに株価は、取引に参加する人々の考え方・行動様式の違いにも大きな影響を受けています。そのためにも、「おおよそ」の戦後の株価の動きを頭に入れて、過去の変化の要因などを知識として持っていると安心です。

個人投資家全盛の時代から、高度成長期には法人が主役に

 戦後日本経済の規模がまだ小さかった1950年代までは、個人投資家の売買シェアが高く、個人が相場の主役を演じていました。この頃は株式の配当利回りが国債利回りを大きく上回っていた時代で、配当収益を目的に株を購入し長期保有する個人投資家が多かったようです。

 個人投資家全盛の時代だったため、ユニークかつ大胆なプロの相場師が現れ、一夜にして巨万の富を得たとか、逆に失敗して一文無しになったなど、相場師の振るまいが世間の話題になったのもこの頃までです。

 1960年代に入ると、日本は高度成長時代に向け走り出します。この過程で個人投資家の比重は年を経るごとに低下し、銀行や一般の事業会社などの法人が主役になってきます。

 この時代の特徴は株式発行による資金調達の場というよりも、安定株主づくりや取引先との関係強化を目的とした「株式持ち合い」のための取引が主流でした。法人が投資採算を軽視して株式保有を続けたため、実際に市場に出回る株数が不足し、日本の株価は世界的に見て割高で推移するという歪んだ姿になりました。

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バブルの膨張と破裂。そして長期低迷
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