「歴史的事実は誰が書いても一緒」にはならない、たった一つの確かな理由~百田尚樹氏『日本国紀』

幻冬舎社長見城徹氏への侮辱

“【日本国紀、コラム4頁まるごとWikipediaコピペ改変?】 『日本国紀』P246-249のジョン万次郎に関するコラムにWikipediaコピペ改変の疑いが浮上しました。また一部に個人ウェブサイトとの類似箇所も検出されました。検証結果は画像の通り。無マーカー部分も単なる要約や言い換えと推定されます。” 出典:https://twitter.com/J_geiste/status/1067166537897803777  現時点で発覚している最大規模のWikipediaコピペ疑惑は、11月26日に発見された『日本国紀』P246-249のジョン万次郎に関する4頁にもわたるコラムです。その詳細は上記のツイートをご覧いただければと思いますが、乗っていた船が難破し、約9年間もの米国滞在を経て帰国を果たすという数奇な運命をたどったジョン万次郎の生涯を紹介したこのコラムは、その大部分がWikipediaの要約だと考えざるを得ない代物です。しかも個人ブログの記事と酷似した部分も発見されました。  当該コラム以外もそうですが、『日本国紀』でWikipedia等のコピペ改変が疑われる箇所については、Wikipedia以上の情報量がほぼ見当たりません。これはつまり、著者はWikipedia等のネット記事以外にはほとんど何も見ずに同書を執筆していた可能性を示唆しています。同書に参考文献が一切掲げられていない理由も、どうやらこの辺りにありそうです。  ジョン万次郎コラムのコピペ疑惑が発覚する前夜の25日に放送されたAbemaTVの番組「徹の部屋」は、『日本国紀』の版元である幻冬舎の見城徹社長がホストを務め、百田氏、有本氏らと『日本国紀』の魅力を語り合うという内容のものでした。番組内で見城氏は「このコラムひとつひとつが面白いのね」「ジョン万次郎は奇跡だね」と当該コラムを激賞しています。  どのような感想を持とうと個人の自由ではありましょうが、見城氏がこの発言をした翌日に、当該コラムのコピペ疑惑が発覚したわけですから、結果として『日本国紀』の著者らは見城氏を大いに侮辱し辱めるような行為を行っていたことになります。  いずれにしても、出版界のプロ中のプロが、あろうことか大部分がWikipediaをコピペした上で単に要約しただけとしか考えられないコラムに、ここまで高い評価を与えたというのは、もはや日本出版史上のひとつの事件といわねばなりません。

記憶に新しいWelq騒動と根は一緒

 DeNAが運営していたヘルスケア情報サイトWelqが、著作権侵害や不正確な医療情報を含む粗製濫造記事を大量に掲載していたことが発覚し2016年に閉鎖されたのも記憶に新しいのですが、それと似た手法で作られたと思しい『日本国紀』を、今後も販売し続けるのであれば、せめて帯文の「日本通史の決定版」は「日本通史のWelq版」へと正しく改訂していただきたいものです。それとも幻冬舎は創立25周年記念出版として、日本の著作権法の限界点に迫るような商品を製造販売するという、実にアバンギャルドでエッジのきいた経営戦略を採用されているのでしょうか。 「私たちは何者なのか――。」  何者なのでしょうね。 ともかくも著者も編集者も版元も、そんな自分探しなどは後にして、一刻も早く日本国内の法律を遵守しようとする姿勢を少しでも見せるべきではないでしょうか。今後の動向から目が離せません。 ※追記:読者情報によれば5刷ではさらに密かに修正が加えられ、引用と思われる箇所はカッコで括られ、引用元の記載も始まったようである。しかし、これらのミスについて幻冬舎からは特に何の表明もなく、また、それらを指摘した人については一方的に「誹謗」と断じて、訴訟を匂わせるツイートなどを行っている。 <文・GEISTE(Twitter ID:@j_geiste〉>
Twitter ID:@j_geiste
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