しょせん愛人は裏稼業。ハイリターンを狙わずにどうする
しかし相手の男性の立場になってみると、また違った光景が見えてきます。ごく普通の会社員女性より、何十人もの社員の生活を保障し、妻子の面倒も見ている経営者の方が、愛人を作るリスクは高いからです。
富裕層は、愛人女性が自分の会社情報をさらしたり、写真をばらまいたり等の名誉毀損をするのではないか、というリスクに敏感です。そういう名誉毀損をしなさそうな女性だと思われなければ、単発の援助交際ならともかく、長期的な愛人にはまずなれません。
その「名誉毀損をしなさそうな女性」とは、どういう女性でしょうか。結論から申し上げますと、積極的に自分の個人情報を教えてくれる女性です。自分はどんな仕事をしている、どこに住んでいる、出身地や出身大学はどこで、親はどんな仕事をしている……など、浅い関係の相手に明かすようなレベルではない情報を、自ら明らかにしてくれる女性です。
名刺交換の場では、立場の低い方から先に名刺を差し出すのがマナーですよね。それと同じで、愛人マーケットでは、金銭をいただく立場の女性から「積極的に名刺を差し出す」べきなのです。
もちろんこうした行動は、女性にとってハイリスクです。相手の男性がいくら交際クラブに何十万と支払う富裕層だと分かっていても、信頼できるとは限りませんから。できれば自分のことを何も教えず、外見だけでお金を稼げる方が「おいしい」でしょう。
ただ、それではどうしても限界が来るのです。交際クラブに登録する男性は、精神的なつながりを大切にするからです。個人情報を何も教えないままだと、「この子は僕に隠していることが多いな」と思われ、不信感が高まってしまうのですね。
何度か食事をし、1回数万円でホテルへ行くくらいならそれでも良いのですが、1年以上は続きません。男性から信頼されていない上に、外見や薄っぺらいトークだけでは飽きられるからです。
そういう関係において、女性側の利益は「ローリスク・ローリターン」というところでしょうか。お小遣い程度なら、一切自己開示をしなくても稼げるかと思います。ただローリスクとはいえ、やっていることは不倫や愛人という裏稼業に変わりませんから、自尊感情がすり減る可能性はございます。本当に「ローリスク」かどうかは、疑問も出てきますね。
だからこそ私は積極的に個人情報を開示し、リスクを取ります。その方が、必ずお金持ちから信頼されますし、愛人関係がスケールしやすいからです。どうせ裏稼業をやるなら、ハイリターンを得なくてどうするのでしょうか。私はそういう覚悟で、愛人ビジネスを始めました。結果には非常に満足しておりますよ。
<文・東條才子>