しかし、それらはあくまでも「対症療法」に過ぎない。
なぜならば、M-13やB18の根源的な問題はこの二つの暴力組織を構成しているメンバーは貧しい家庭に生まれ、94%が初等教育しか受けていない若者だからだ。
彼らの70%の家庭はひと月250ドル(27500円)以下の生活を余儀なくさせられているとされている。彼らがまともな職場に就くことはなく、またそのような職場も不足している。この厳しい環境を変えることなくして暴力組織の撲滅は望めないのも確かである。
こうした背景もあり、この組織に入りたがっている若者はいまも絶えることがないそうだ。彼らにとってこの2つの組織のメンバーになるというのは一つのステータスシンボルになるのだそうだ。(参照:「
El Confidencial」、「
ABC」)
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身