14日午後、ワシントンでメイジー・ヒロノ上院議員と面談をする玉城知事(写真/沖縄県)
玉城知事は、ニューヨーク大学の講演で「なぜ軟弱地盤の新基地予定地への土砂投入を急ぐのか」という疑問を解く「利権」というキーワードも発していた。
「『SACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意』は、辺野古の沖合に海上フロートのようにして、撤去可能な形として始まりました。当時の沖縄県知事もSACO合意を認めていましたが、二つの条件付で辺野古(海上)移転を認めていました。
一つの条件が軍隊(海兵隊)と民間が共用できる空港にすること、もう一つの条件が15年で沖縄県に返還すること。しかし、そこから紆余曲折して、いろいろな『利権』が絡んでいって今の辺野古沿岸を埋立ててV字型滑走路(現行案)に変わってしまった」(玉城知事)
筆者は講演翌日の12日のぶら下がり取材で、この「利権」の具体的内容について玉城知事に確認をした。「ミスターじゅごん」とも呼ばれた守屋武昌・元事務次官の著書「『普天間』交渉秘録」には、埋立で儲かる地元建設業者で砂業者でもある「東開発」の仲泊弘次会長が現行案の“産みの親”と紹介されていたためだ。
――昨日の(講演後の囲み取材で玉城知事が)「利権のことは本に書いてある」とおっしゃったのは、守屋元事務次官の本のことですか?
玉城知事:いろいろな方が書いています。
――「埋立面積を大きくするために(V字型滑走路の現行)計画が決まっていった」ということですか。
玉城知事:いろいろあったところですから。
――それで「軟弱地盤でも土砂を投入してしまえ」「工事のための工事になっている」と(玉城知事の講演を)聞いていて思いました。
玉城知事:すべてが(辺野古埋立)ありきで進んでいますからね。
――工事ありきで。
玉城知事:はい(頷く)。