共和党の右旋回、民主党の左旋回で「中間」がいなくなってしまった米国中間選挙

及川健二
トランプ1

下院では負けたものの、上院で過半数をとったことで「勝利宣言」を行ったトランプ大統領

 中間選挙なのに、中間がいない。そんな選挙が11月6日の米国中間選挙だった。結果は下院では民主党が過半数を制して、上院では辛うじて共和党が過半数を維持した。下院は民主党230議席に対して、共和党が201議席だった。  しかし、ドナルド=トランプ大統領は6日夜、「今夜はとてつもない成功だ。みんなありがとう!」とツイッターで強気のツイートをした。共和党は穏健派議員がのきなみ引退し、過激な排外主義を掲げる“ミニ・トランプ”ばかりが共和党候補になった。  一方の民主党は、「民主社会主義者」を名乗る下院選候補が続出した。2016年の米国大統領選挙で、民主党の予備選でヒラリー=クリントン元国務長官を相手に善戦した「民主社会主義者」、バーニー=サンダース上院議員の影響を受けた議員たちだ。サンダース派は上院で1人、下院で10人、州議会上下院で36議席獲得した。  まさに、左旋回した民主党と右旋回した共和党との激突で、「中間」がなくなってしまったのだ。
サンダース上院議員

サンダース上院議員の影響を受けた「民主社会主義者」たちが続々と当選した

 トランプ大統領は自身の大統領選のごとく全米をかけまわって、共和党候補を支援した。同党支持者から90%近くの人気を得るトランプ大統領は「共和党なら素晴らしい経済的繁栄をもたらす」と予言。  そして「恐ろしく危険で、正気とは思えない移民政策をとっている」「民主党の公約は2018年版の社会主義だ。彼らは国境を開いて、地域社会を不法移民であふれさせようとしている!」と民主党を激しく攻撃し、「中米からの移民集団に犯罪者が含まれている」と述べた。さらに、中間選挙は「安全と繁栄を勝ち取るための選挙だ」と強調した。
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躍進した民主党の社会的マイノリティ候補
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