増える在タイ日本人美容師。美容・理容の日タイ差とは?

高田胤臣

タイ人美容室

在住日本人の中には好んでタイ人美容室を利用する人もいる

 日本人在住者が多いタイでは、日本人向けのサービスが今も増加の一途を辿っている。特にタイの和食ブームにも牽引されて、和食店、あるいは日本人が関係した飲食店の増加は顕著だ。
 日本人観光客の目にあまり留まらないところでは、日本人美容師が立つ美容院も増えた。2000年初頭は1軒2軒ある程度だったが、今や何軒あるのかというほどに増加している。顧客のほとんどが日本人で、細かいニュアンスを日本語で伝えられることや、やはり日本人による日本人のセンスで髪を切ってもらうことが喜ばれる要因のひとつとなる。

就労許可が出ない日本人美容師がタイで働く「抜け道」

 日本人美容師が立つ美容院はバンコクばかりで、おそらく地方都市はまだいても数人くらいだろう。しかし、いずれにしても高い。タイの理容室は80~100バーツ(約275~345円)が価格帯で、日本人の美容室はその7倍から10倍の価格でも安い方である。

 高価格なのには、日本の技術という理由もあるが、タイの法律が定める外国人の最低賃金も関係している。タイでは外国人の「美容師」には就労許可が下りない。タイ人雇用を守るための措置で、日本人が美容師としてタイで活躍するには経営者、あるいは指導者としての立場で労働許可証を申請する必要がある。本来は店で接客することはできないが、ものは言いようで、店頭に立つことが指導のひとつとすれば、取り締まり対象としてはかなりグレーゾーンに持っていける。

 さらに、タイでは1企業における労働許可証の発給数は資本金が関係するため、ある程度資本力がないと日本人美容師を置くことはできない。必然的に、資本力のある高級チェーンになってしまうのだ。

 ちなみに、こうしたチェーン店以外で不法就労している日本人美容師もいないわけではない。数年前に日本人美容師が不法就労で逮捕され、強制送還された事件もあった。本来労働許可証は人に見せるものではなく、持っているかいないかは端から見てわかるものではない。噂では、そのあたりの事情に疎かったその美容師が自ら周囲に労働許可証がないことを話していたから当局側にバレたということだ。

 不法就労の美容師に髪を切ってもらっているところに警察に突入されても、客が捕まることはない。だから安心して髪を切ってもらっていればいいのだが、面倒に巻き込まれたくなければ、ある程度大きな美容院、あるいはタイ国内でチェーン展開しているところに行った方がいい。そういった日本人経営店なら安心だ。

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日タイ美容師の違いはある?
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