NTTドコモは受信のみならず、送信の通信速度も高速化する。
これまで送信最大75Mbpsで提供してきたが、送信最大131.3Mbpsとする。
送信最大131.3Mbpsはアップリンク・キャリアアグリゲーション(ULCA)と64QAMを適用する。ULCAは先述のCAの送信版で、複数の搬送波を束ねて同時通信する。64QAMは従来の16QAMより1度に運べる情報量を増やす。ULCAの組み合わせはCA_3A-19Aで、1.7GHz帯の1搬送波と800MHz帯の1搬送波を利用し、両方の搬送波で64QAMを適用する。
送信最大131.3Mbpsに対応した端末はWi-Fi STATION HW-01Lのほか、2018年11月上旬に発売するソニーモバイルコミュニケーションズ製のスマホ「Xperia XZ3 SO-01L」を用意している。
送信最大131.3Mbpsに対応したXperia XZ3 SO-01L
これまで日本の携帯電話事業者としてはKDDIが提供する送信最大112.5Mbpsが送信の通信速度では最速であったが、NTTドコモが送信も最速を更新する。なお、受信最大1288Mbpsと送信最大131.3Mbpsは1.7GHz帯を利用するが、NTTドコモの1.7GHz帯は東名阪地域のみで使えるため注意しておきたい。
NTTドコモは2020年春に次世代通信の5G(第5世代移動通信システム)を商用化する計画で、それに先立ち2019年9月より5Gのプレサービスを開始する。プレサービスは2019年9月から2019年11月にかけて日本で開催されるラグビーワールドカップ2019日本大会に合わせて実施し、競技会場などで5G網を構築する計画である。NTTドコモとしては5Gの導入に伴い既存のLTEサービスの高度化を終了するわけではなく、5G時代に合わせてLTEサービスへの投資も継続する方針という。
ドコモ5Gオープンラボ OSAKAに配備された5G伝送実験装置