感情認識AIが進化すればするほど、リアルのコミュニケーションが必要になってくるワケ

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アプリで感情を正確に認識できたとしても、次の一手がより重要になってくる

 こんにちは。微表情研究者の清水建二です。本日は、感情認識AIが広がる未来における対人コミュニケーションの行くへについて考えたいと思います。現在、私たちの表情を自動的に分析し、感情を推定するアプリが各種メーカーから販売または開発されています。  感情認識アプリが搭載されたあるロボットやアバターは、私たちの表情から感情を推定し、私たちに語りかける言葉を選択します。近い将来、彼(女)らは、人の代わりに話相手になってくれたり、空港や重要施設に立ち、出入りする人間のウソの可能性にアラートを鳴らしてくれるかも知れません。  あるメガネに搭載された感情認識アプリは、目の前にいる人の表情の変化から感情を推定し、その変化をメガネをかけている人に教えてくれます。近い将来、目の前の人の表情を大きくあるいは小さく補正して見せてくれる、言わば表情補正メガネができれば、他者の表情がわからなくて困っている人にとってはその表情変化に気づきやすくなり、一方、他者の表情に過剰に反応してしまう人にとっては表情変化に気づきにくくさせることができるでしょう。  ある店舗では、感情認識アプリが私たちの商品に対する好き・嫌いや各感情を表情から推定し、そのデータから購入との関連性が模索されています。近い将来、感情と商品購入歴とが個人向けに紐づけされるようになったら、個々人の感情に応じてオススメ商品をアプリが提案してくれるかも知れません。

AI時代だからこその「オフライン」コミュニケーションの重要性

 こうした感情認識AI・アプリが今後ますます世の中に広まることが予想されます。そうであるからこそ「オフライン」のコミュニケーション、すなわち生身の対人コミュニケーションに一層の意識を向ける必要があると私は思います。  例えば、感情認識アプリが搭載されたロボットやアバターが空港の入国審査で私たちの滞在目的に関して質問します。ある人物の受け答えに対してウソの可能性が高いことを示すアラートが鳴るとします。  その人物は、人間の審査官のいる部屋へ通され、厳密な審査を受けます。この人間の審査官は、アプリが示したウソアラートの理由は何なのか、ウソアラートが正しいのか間違っていたのかについてその人物と面談することで判断するのですから、アプリよりも人を判断する能力が当然高くなくてはいけません。こうした審査官たちは「オフライン」の対人コミュニケーションスキルを磨き続ける必要があるでしょう。
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好みの突然変異を促すリアル販売員の接客コミュニケーション
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