建設的議論ゼロの罵り合いにパリピ化!? クジラ国際会議のお粗末な実態

パリピ化する反捕鯨国がイヤリングコンテストを開催

 IWC総会では日本をはじめとする捕鯨支持国が押され気味になっている。全加盟国89か国のうち、捕鯨支持国41か国に対して反捕鯨国48か国と反捕鯨国の方が優位だ。IWC総会では、日本が発言するたびにバッシングが起き、「まるで被告席に立たされたようだった」と当時を知る漁業関係者は語る。この状況は今回の総会でも同じで、日本が商業捕鯨再開を主張すると、オーストラリアなどの反捕鯨国が猛反発した。  今回の総会では、自民党の捕鯨議員連盟ほか、水産庁、外務省のスタッフを倍増させて総会に臨んだが、今回も空しく提案は否決された。出席した谷合正明農林副大臣(当時)は「あらゆる選択肢を精査する」と脱退もほのめかした。 「これでダメならもうどうしようもない」と言わんばかりの気合いの日本に対し、商業捕鯨を阻止している反捕鯨国側は余裕綽々だ。日本の調査捕鯨はあくまで調査が目的なので、「科学的データが十分に集まった時期がきたら必要ないよね?」という理由である時点で停止させ、日本の商業捕鯨再開の芽をつむという戦略が、順調に進んでいるからだ。それだからか、今回の総会でも、商業捕鯨再開など全ての主だった議題が終了したあとに、いきなり、お祭り騒ぎのようなコンテストが始まった。  このコンテストは総会に参加した女性がつけているクジラのイヤリングの人気投票をするというもの。勝者ゆえの余裕、はっきりといえば傲慢さが表に出た瞬間だった。捕鯨支持国の側からみれば、提案がつぶされて面白くないなかで、いきなりコンテストとかお祭り騒ぎを開かれては不愉快千万だろう。  しかも、2年後の次回総会では「イヤリングだと男女平等になりいくいので、クジラのタトゥーコンテストにしましょう!」というパリピ案がその場で出て採用されたという。世界で優先順位が高いとは言えない捕鯨問題に対する関心が低いのはわかるが、ふざけすぎな感は否めない。  IWCに対して日本は、全分担金の約1割にあたる年間約2200万円の分担金を支払っている。自民議員からも「国民の理解を得られるのか」として、国会で分担金の拠出停止を求める声もあがっている。  IWC脱退の期限は年明け1月1日だ。日本は国際バッシングが確実な脱退に踏み切るのか。注目が集まっている。 <取材・文/戎丸大地>
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