周辺諸国も危ぶむブラジル大統領選極右候補、ボルソナロの大統領への道がまた一歩進む

白石和幸

「カリオカのトランプ」を支持した市民の声

 極右ボルソナロは「カリオカのトランプ」という異名を取っているが、彼への支持が投票日が近づくにつれて急激に上昇したのは以下のように各紙が報じた市民の声がそれを裏付けしている。 「El Confidencial」紙が報じたのは、24歳と40歳の男性の声だ。  配車サービスウーバーの運転手をしているジョニー(24歳)は「私はこれまで労働者党に投票していた。私の家族も同様だ。しかし、ルラ(元大統領)の労働者党にはもうがっかりしている。今回はチェンジを望んでいる」、「ゲイや黒人も多く知っている。彼らもボルソナロに投票すると言っている。なぜなら、彼は伝統的な家族という概念を尊重しているからだ」と語っている。  情報関係の仕事をしているディオゴ(40歳)は「私はボルソナロに投票した。それが一番良い選択だと思うからだ。彼は男性優越主義者、ホモファビアだとか言って、彼を批判する人がいるが、それは敵が勝手に作ったものだ。私にとって、彼は唯一正直で、物事を変えることのできる政治家だ」と述べたという。  また、「BBC(スペイン語版)」では、美容歯科医ダニエラ・ドロリゲス(33歳)の声を紹介している。  彼女は、「私の(ボルソナロに投票した)主な理由は、彼が汚職に染まっていないということ。しかも、正直で透明性がある。国を本当に変えようとする勇気をもっている。保守であって、経済面ではリベラル。これまでの政府はマルクス主義の産物だ」と語っているという。  定年した元警官アンドレ・ルイジ・フェレイラ(59歳)の声も紹介されている。「これまで軍事政権の時よりも検閲の厳しい左派の偽装独裁下にこれまで我々はいたのだ。ボルソナロは本当の言論の自由を守ってくれる」「ベネズエラ化してしまうプロセスに入ってしまう危険を避けねばならない」と強調したと報じている。 「労働者党が政権に就くのはもう二度と見たくない。この数年で極貧にまで落ち込ませてくれた。ブラジルがベネズエラのようになるのは御免だ」というリオデジャネイロの官僚ホルヘ(50歳)や、45歳の企業家アナの「彼は唯一クリーンな政治家で(汚職で)調査されたことがない。暴力と汚職のレベルを至急減らしてもらいたい。それが出来るのは唯一彼だ」という声を報じたのは10月8日付の「El Confidencial」。  また、「El Espectador」紙は、ボルソナロに反対して、彼が女性を蔑視した過激な発言に耐えらないとして多くの女性が彼に票を入れない運動を起こしているが、リオデジャネイロの法律学校に籍を置くミシェル・フレイタスが「中流層や富裕層の多くの女性がボルソナロを支持している」と表明していることを報じた。
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新自由主義路線を市場は評価。決め手に欠ける左派
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