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英国が欧州連合(EU)からの離脱を決定した時に、それに続くのはオランダではないかと噂された。オランダの英国との経済取引が多大であるからである。しかし、離脱を前に英国が抱えている問題の複雑さから、オランダではそれを静観しながらも英国の離脱による損害をできるだけ最小限に留め、また同時にそこから利益をもたらす道に取り組んでいるようだ。
英国が来年3月29日に離脱することによって、それがもたらすマイナス影響が累積した場合、オランダは2030年はGDP比1.2%、100億ユーロ(1兆3000億円)相当の損害に繋がるとされている。というのも、英国向けのオランダからの商品及びサービス部門の輸出はオランダGDPの3.2%を占め、金額にして230億ユーロ(3兆円)にものぼるからである。特に、英国向け主要商品は花、ガーデニング植物なども含めた農作物、野菜類、魚類などである。それはオランダの貿易取引量から見ると、実に8%を占めている。
例えば、オランダから英国に輸出されている最大品目である新鮮な果物と野菜は20億ユーロ(2600億円)の取引額になっている。(参照:「
El Confidencial」、「
EFE」)
英国がEUと合意なき離脱をしようとしている現在、それは単一市場からの離脱も意味することになり、輸出入においてコストの上昇をもたらすことになる。
オランダから英国への輸出の場合、肉類について見ると0.7%から1.9%のコストの上昇をもたらすことになるという。同様に生花類を見ると0.8%から1.3%の上昇をもたらす。
魚類になると、また別の問題が加算されることになる。というのは、オランダの漁師が漁獲に英国の海域でこれまで漁をしていたのが、英国の離脱によって英国海域での漁がこれまで通りできるのかまだ明確にされていないからだ。これは英国側でも問題になっているところで、2016年だと英国はオランダに7500万キロの魚介類を輸出しているが、そのコストがどこまで上昇するのか同様に明確になっていないのである。(参照:「
El Confidencial」)
英国の合意なき離脱はオランダの貿易取引額において0.7%の減額をもたらすことになると国際通貨基金(IMF)では予測している。(参照:「
EFE」)