県一括交付金の確保を表明する佐喜真氏、経済的自立を目指す玉城氏
辺野古新基地反対を言わず、「対立から対話へ」をキャッチフレーズに県民所得のアップを訴える佐喜真淳候補(左端)
大会の冒頭で下地建設業協会会長が県一括交付金減額に触れたのに続き、「対立から対話へ」を訴える佐喜真氏はこんな挨拶をした。
「一括交付金は、残念ながら県政が代わり、ハード・ソフトともにピークの時から比較すると570億円あまりが減額されました」
「私は今回の知事選におきまして、必ず皆様方のためにしっかりと予算の確保に向けて全力を尽くしていきたいと思います」
歴代の自民党政権が得意としてきた、札びらで沖縄県民の頬を叩くという、“アメとムチ”の利益誘導政策(選挙手法)。それに佐喜真氏が飛びついたともいえるのではないか。
辺野古新基地建設阻止を訴えると同時に、新財源の導入などで補助金依存から脱却、経済的自立を目指すと主張する玉城デニー候補(右端)
これに対して玉城氏は、“アメ玉”を受け取ることで「新基地建設反対」が言えなくならないよう、自主独立路線を突き進もうとしている。補助金の撤廃を掲げる一方、新しい財源として「観光・環境協力税」導入などで沖縄県の経済的な自立をはかろうとしているのだ。
“アメ玉”を受け取って中央政府の言いなりになるか、受け取らずに自立の道を進もうとするのか。対照的な二人の県知事候補。沖縄県民はどちらを選ぶのだろうか。
<取材・文・撮影/横田一>
ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた
『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他
『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数