政府からの予算増額という“アメ”を受け取るか(佐喜真氏)、受け取らずに経済的自立を目指すか(玉城氏)。対照的な沖縄県知事選候補

沖縄県の公共事業費が減らされた理由は「翁長前知事の陳情不十分」?

内部文書2

「期日前実績調査表(個人報告用)」には、県建設業協会の政治団体である「沖縄県建設産業政策推進連盟」のFAX番号が送付先として明記されていた

 さらに、翁長県政にはなかった別の“アメ玉”として、佐藤氏は公共事業費についてこう語った。 「(全国で)公共事業費6兆円の予算の中でどれぐらいの割合が沖縄に来ているのか。昔は『3%』来ていた。今、どれぐらいでしょう。何と『2.3%』です」 「別に加減をしているわけではありませんが、知事を先頭に『(公共事業予算を)俺のところによこせ』と言っていただかないと『0.7%』下がると。(中央への陳情不熱心な翁長知事県政だと)6兆円かける0.7%で、(減額が)500億円ぐらいになるのです」 「元に戻さないとダメです。元に戻すにはどうするのか。佐喜真さんです。佐喜真さんを知事にしないといけない。知事を先頭に建設産業の皆様と、『俺のところは仕事をしっかりとやっているから仕事をよこせ』と迫っていく。それをやっていきましょう」  新基地容認の仲井真弘多知事時代(2006~2014年)に比べて翁長知事時代の県予算が減ったのは、辺野古新基地反対を貫いたことに対する、安倍政権の報復的措置なのは明白だ。  それなのに、翁長知事の職務怠慢(陳情不十分)の産物であるかのような言い方をしている。実際は、辺野古新基地反対を言うか否かで予算額が左右されたというのに、まるで陳情の熱心さで予算が決まるかのようにすり替えている。
次のページ
飴玉目当てに従属するか、自立するか
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会