また、国産だけでなく、海外ブランドにも食べ応えのある非常食がある。
The 温 キムチビビンバ
「
『The 温 キムチビビンバ』(490円)は韓国ドライフードのトップブランドが出しているアルファ米ビビンバ。ピリリとしたキムチの味わい、食欲を刺激する後入れごま油の風味は、日本の非常食にはないもので、避難生活の食事に変化をつけられます。パッケージのビビンバの写真はあくまでイメージで、実際にはキムチ風味の混ぜご飯という感じです」
サタケ マジックライス 牛飯
“日本のメシ”を味わいたいという人には、
「サタケ マジックライス 牛飯」(350円)もオススメです。アルファ米の牛飯は、注水量を増やして牛雑炊としても食せるのがウリのひとつ。牛飯という名前やパッケージの写真を見ると、しっかりとしたお肉を想像しますが、実際には牛丼風味の混ぜご飯といった雰囲気です。味は濃いめで、疲れた体にも馴染みがよい。牛飯としてはちょっと物足りなさもありますが、牛雑炊なら満腹度も高い!」
また、大手食品メーカーからも、非常用にピッタリの商品が発売されている。
フリーズドライご飯 カレー味
「永谷園の
『フリーズドライご飯 カレー味』(480円)は、水で5分、お湯で3分、そのままでも食べられるフリーズドライ米のカレー味。できあがりが早いのはうれしいけれど、食感にはもう一声ほしいところです。しかし、ご飯という認識ではなく、カレーリゾットだと思って食べれば、かなりイケる味。もしチーズをちょい足しできれば、美味しさは一層増すと思います。災害時であれば、十分に美味しいと思えるレベルです」
「フリーズドライご飯 カレー味」に「野菜一日これ一本」を混ぜてみると、トマトリゾットのような味に!
実はこちらの商品、ある意外なアイテムとの組み合わせで、「味が劇的に変化する」とPONCHO氏は語る。
「あまり知られていませんが、
『災害食大賞2018』で銀賞を獲得したのが、
カゴメの『野菜一日これ一本長期保存』で戻した、
尾西食品の『五目ごはん』なんです。『ライフラインが停止し、災害時は非常事態で困難を極める。水気がないとアルファ化米は食べられないが、野菜ジュースとアルファ化米をセットで包装している点に注目』したというのが、受賞理由のひとつ。そこで、水やお湯の代わりに野菜ジュースを使うアイデアは、食感に劣るフリーズドライ米の方が合うのではないかと、
永谷園の『フリーズドライご飯 カレー味』と組み合わせてみたんです。結果は大正解! ほんのりカレー風味の、とても美味しいトマトリゾットに大変身しました。このアイデアは、カップ麺やインスタント麺で試してみてもよいかもしれません」
さまざまな味の組み合わせで、いろいろな料理を再現できるのも、非常食のユニークな点だ。
そして、最後は米ではなく、パスタ。長期保存という点では、米に負けず劣らず優秀なパスタだが……。
アマノフーズパスタ
「アマノフーズの
『三ツ星キッチン 焼なすとトマトのクリームパスタ』(200円)は、お湯を100cc注いで混ぜたら1分でできあがり。これだけでは満腹になりませんが、乾パンや白米などと組み合わせて食べるといいでしょう。想像以上に濃厚でチーズの風味が強く、ラセン状のショートパスタであるフジッリとよく絡んで、かなり侮れない美味しさです。ナスは申し訳程度の大きさだけれども、本格的な味わいを再現しているので許せます!」
近年、急速に味が進歩している非常食。まずは“ずぼらメシ”感覚で試してみてはいかがだろう?
<取材・文/HBO編集部 撮影/PONCHO>